バウムクーヘン「AI職人」に特別住民票 神戸市とユーハイムが事業連携協定

20230227THEO住民票

【神戸経済ニュース】神戸市と洋菓子の老舗ユーハイム(神戸市中央区)は27日、スイーツの魅力発信を通じた地域産業振興で事業連携協定を結んだ。神戸市の久元喜造市長と、ユーハイムの河本英雄社長が同日、記者会見して発表した(2枚目の写真)。伝統的な洋菓子作りに加えて、先進的な技術を取り入れたフードテックも積極的に発信。象徴として、人工知能(AI)によってベテラン職人と技術を再現したバウムクーヘン専用オーブンである「AI職人」に神戸市が特別住民票(1枚目の写真)を交付した。

 バウムクーヘンの「AI職人」はTHEO(テオ)と名前がついており、2020年12月に1号機が完成。すでに20台程度が各地で稼働している。河本社長は「社内でも親しみを込めてテオくんと呼んでいる」という。職人が焼く生地の焼き具合を、各層ごとに画像センサーで解析することで、AIに機械学習してデータ化。ベテラン職人の焼き方の特徴を、数日でマスターできる学習能力の高さが特徴だ。遠隔地や海外など「職人がなかなか出向きにくい場所でも」(河本氏)焼きたてのバウムクーヘンを提供できる。

 神戸マラソンなどの行事や、海外から神戸に訪れるクルーズ客船に、テオが焼いたバウムクーヘンを提供。まずは3月8日、3年ぶりに神戸港を訪れる外航客船のダイヤモンド・プリンセスの乗船客に提供する予定だ。さらにユーハイムは、食に関するスタートアップ支援にも乗り出す。さらに神戸市の農産品を使った新たなスイーツの開発による食品ロス削減、スイーツを通じた人材育成、こども食堂や児童養護施設でバウムクーヘンを提供することによる子供たち応援なども展開し、「神戸市中央区民」として社会貢献したい考えだ。

20230227連携協定

 洋菓子を中心とした「めん・パン・菓子類」の神戸市内の生産額は1986億円(2015年)で、神戸市域と域外の資金収支を示す「域際収支」で約1100億円の黒字だ。久元市長は「洋菓子は神戸を代表する産業」「域外から『外貨』を獲得することで、地域経済を活性化する大きなポイントになる」と述べ、洋菓子はじめ食品産業の活性化による神戸市域での所得向上への期待を語った。

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