シスメックスの4〜12月期、純利益8%増 「中国以外すべての地域で好調」

20230209シスメックス

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)が9日に発表した2022年4〜12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比8%増の351億円だった。4〜12月期としては過去最高。新型コロナウイルスの影響で通院患者が大幅に減ったうえ、経済も停滞した中国では現地通貨ベースで減収と苦戦した。ただ「中国以外はすべての地域で好調」(立花健治・取締役専務執行役員)とあって、円安も追い風に増益を確保した。

 売上高は15%増の2987億円、営業利益は10%増の543億円だった。営業利益の変動は、増収による粗利の増加が42億円だったのに加え、円安によって営業利益が111億円が押し上げられた。このため減価率の上昇(50億円)や販管費の増加(65億円)を吸収した。新型コロナの影響が薄れて通院する人が世界的に増えたのに加え、免疫検査を中心に血球計数以外の検査機器や試薬が伸びた。メディカル(手術支援)ロボット事業の売上高は17億円だった。

 川崎重工業(7012)との共同出資会社のメディカロイドが開発した手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」はシスメックスが総代理店。昨年12月に消化器外科、婦人科の分野で保険適用を受けた。「それから販促活動を強化している」(浅野薫・取締役専務執行役員)という。今期は30〜35台の導入を見込み、すでに提案に入っているという。

 23年3月期の連結業績予想は据え置いた。純利益は16%増の510億円を見込む。22年12月までの進捗率は69%になった。中国はゼロコロナ政策が事実上終了した頃で、検査需要の回復を見込む。試薬の販売が伸びる見通しだ。加えて現地生産する検査機器の販売活動も進める。

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