神戸製鋼、今期純利益は一転3%増に上方修正 鉄鋼で数量減も採算改善

20230209神戸鋼

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所(5406)は9日、2023年3月期の連結純利益が前期比3%増の620億円になりそうだと発表した。従来予想である25%減の450億円から上方修正し、一転の最終増益見通しになった。鋼材の販売数量は従来想定よりも減少する見通しだが、販売価格の引き上げと主原料価格の下落が進み、採算改善が見込めるようになった。円安進行が反転したことで、石炭火力の神戸発電所3・4号機で燃料調整の時期ずれによる損失が縮小する見通しになったのも予想に反映した。

 売上高は20%増の2兆4900億円、営業利益は24%減の670億円を見込む。従来予想は2兆5300億円、550億円で、売上高は下方修正になった。自動車生産の本格的な回復が遅れているうえ、IT(情報技術)・半導体分野で需要が減少。素材系事業の販売数量は減少を見込む。東南アジアで建設機械の販売台数が想定よりも減少する見通しになったのも響く。ただ鉄鋼の採算改善などで営業利益は今期の見通しを引き上げた。

 事業分野(セグメント)別では、足元で採算改善が進んだ「鉄鋼アルミ」と「電力」で利益の見通しを引き上げた。販売台数は減少するが、調達コストの改善や中国での販売奨励金の減少を見込む「建設機械」も利益見通しを引き上げ。建設機械は今回、日野自動車(7205)のエンジン不正を巡って同社から受け取る補償金収入も織り込んだ。半面、販売数量が下振れする「素形材」は利益見通しも引き下げたが、引き下げ幅5億円と全体への影響は小さい。

20230209神戸鋼セグメント

 これまで未定としていた期末配当は、前年同期比5円減の25円とした。中間配と合計した年間配当額では前期据え置きの40円になる。

 同時に示した2023年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比12%減の475億円だった。鉄鋼の採算は改善したが、エネルギー価格の上昇などでアルミ板、素形材、建設機械は前年同期に比べてマージンが悪化した。鋼材価格の下落もあって在庫評価益が縮小した。一方で値上げが浸透したことや、電力の販売単価が上昇したことなどで、売上高は20%増の1兆7846億円。営業利益は30%減の538億円になった。

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