神戸市、グリーンボンド除外で共同地方債に参加へ 23年度・数百億円か

【神戸経済ニュース】神戸市は2023年度に、全国型の公募地方債を発行する自治体が共同で資金調達する「共同発行市場公募地方債」(共同地方債)について、「グリーンボンド(環境債)」として発行する分を除外して参加する方針だ。総務省は23年度から毎月1000億円程度を発行してきた共同地方債の一部を、グリーンボンドとして発行。ただ神戸市はすでに独自の枠組みで「神戸市SDGs債」を発行している。両者の商品性の違いのため、神戸市はグリーンボンドとして発行する共同地方債への参加は見送る。

 総務省は22年12月23日に公表した地方債計画で、年度後半にも共同地方債をグリーンボンドとして発行すると明らかにした。22年秋には環境などに配慮した地方債の利回りが、通常債よりも低くなるプレミアム「グリーニアム」も発生。市場での需要を追い風にして、環境などに関する事業の案件が少なく、それだけの資金調達では地方債の発行額としては小さくなる比較的規模の小さな自治体でも、案件を持ち寄ることで一定規模の債券をグリーンボンドとして発行できる仕組みといえる。

 ただ共同地方債のグリーンボンドは国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則」か、環境省「グリーンボンドガイドライン」などに準拠した債券になるとみられる。一方で、神戸市が発行している「神戸市SDGs債」は、神戸市の中期経営計画に相当する「神戸2025ビジョン」がSDGs(国連の持続的な開発目標)に寄与するとの評価を格付投資情報センター(R&I、東京都千代田区)に得たことによる。調達した資金の使途に制限も設けておらず、両者の商品性は大きく異なる。

 神戸市は22年度の共同地方債で200億円を調達する計画。23年度も共同地方債で、ほぼ同規模である数百億円の資金調達をするとの見方が多い。総務省によると、共同地方債のグリーンボンドには県や政令市など自治体の30団体が参加を希望しているという。共同地方債のうちグリーンボンドの比率が高まるようなら、神戸市にとっては共同地方債を通じた資金調達の枠がせばまる形だ。引き続き共同地方債を活用するには、神戸市債も一部をICMA準拠にするなど商品性の見直しを迫られる可能性がちらつく。

▽関連記事

関連記事

広告

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

広告

神戸経済ニュース twitter

広告

神戸経済ニュースについて

神戸経済ニュース

Author:神戸経済ニュース
「神戸を知ると世界が分かる」を合い言葉に、神戸の景気・企業・金融・経済政策などにまつわる話題を随時お伝えします。すべての記事がオリジナルです。

詳しくはこちら。

広告