アサヒHDの4〜12月期、純利益25%減 回収量増加も歯科・触媒が減で

20230201アサヒHD

【神戸経済ニュース】貴金属リサイクルのアサヒホールディングス(5857)が1月31日に発表した2022年4〜12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比25%減の101億円だった。貴金属の回収量は全体として増加して増収だったが、利益率の高い歯科分野や自動車触媒分野での回収量が減り、これを宝飾分野で補ったため採算が悪化した。4月に坂東工場(茨城県坂東市)が新たに稼働したことで、減価償却費が年間5億円程度増加した。

 売上高に相当する売上収益は42%増の2058億円、営業利益は9%減の175億円だった。国内では坂東工場の稼働によって、金の回収量が大幅に増加したのが増収に寄与した。北米の貴金属製錬事業では、プラントを止めて目詰まりなどの解消しながらプラント内部に留置した貴金属を回収する「ストックテイク」が前々期に新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。このため前期は2期分の目詰まりしていた貴金属を回収して利益が押し上げられた反動減もあるという。

 4〜9月期に計上したフジ医療器の特許侵害を巡る訴訟に関連し、損害賠償の一部負担など6億4400万円を「持分法による投資損失」に計上したのも引き続き重し。このほか持ち分法適用だったフジ医療器の株式を22年12月9日に台湾社に全株売却したことで、株式譲渡損失17億円を「その他費用」に計上したのも響いた。

 23年3月期の連結業績予想は据え置いた。純利益は前期比17%減の156億円を見込む。22年12月までの進捗率は65%と低め。22年10〜12月期の貴金属回収量が想定ほど伸びなかったことから、通期予想の達成は「ややチャレンジングとの認識」(企画部)という。売上収益は40%増の2700億円、営業利益は9%減の240億円の見込みとしている。

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