神戸市、9.3トン分のCO2排出量を売却 神戸空港島を囲む藻場で吸収

【神戸経済ニュース】神戸市は28日、9.3トン分の二酸化炭素(CO2)排出量を、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE、神奈川県横須賀市)が運営する排出量取引「Jブルークレジット」として売却すると発表した。神戸空港島の周囲に形成した藻場で過去3年間に吸収したCO2が9.3トンになるという。神戸市は購入者を公募し、募集期間は28日〜2023年1月27日。希望者はJBEに申し込む。神戸港のカーボンニュートラルポート(CNP)に向けた取り組みの一環だ。

 国連環境計画(UNEP)は09年10月、藻場や浅瀬の海洋生物に取り込まれた炭素を「ブルーカーボン」と定義。待機中のCO2が光合成によって海藻などの海洋植物に取り込まれ、CO2を有機物として貯留する仕組みに着目した。海藻が枯れても海底に埋没することで、ブルーカーボンとしての炭素は隔離され続ける。このことからブルーカーボンとして吸収されたCO2と同じ分量の排出量を市場で流通させて、社会全体のCO2削減を促す。

 神戸空港島を埋め立る際、太陽光が届く水深3〜5メートルの浅場を、人工島の周囲およそ6.7キロメートルにわたって作った。このほか人工の砂浜や磯浜などもあり、CO2削減に加えて生物多様性にも寄与しているという。神戸市はJブルークレジットの売却で得た資金を、民間団体によるブルーカーボンの保全・創出活動への支援に充てる方針としている。

 神戸市関連では、21年にも神戸市立浜山小学校が兵庫漁業協同組合などと共同で、兵庫運河の藻場で発生したJブルークレジットの1.1トン分を売却した経験がある。


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