ぱしふぃっくびいなす最終航海、神戸港で出航セレモニー 事業撤退を惜しむ声も
- 2022/12/27
- 20:46
【神戸経済ニュース】日本3大豪華客船の1つとして知られた「ぱしふぃっくびいなす」が27日夕方、運航会社である日本クルーズ客船(大阪市北区)の事業撤退による最終航海に向けて、神戸港のポートターミナル(神戸市中央区)を出航した。乗客を乗せた神戸港からの出航は最後とあって神戸市や船社、旅行代理店などで構成する神戸市客船誘致協議会が「出航セレモニー」を開き、最後の乗客らを見送った。セレモニーの会場になったポートターミナルの送迎デッキには、1998年の就航から今回まで682回と、最も多く神戸港に寄港した豪華客船を見届けようと多く人が集まった。出航に合わせて150発の花火も上がった。
神戸市から最後の乗客に向けて記念に灘の酒(日本酒)を贈った。同船からは、同船が描かれた記念の絵画を神戸市に贈った。記念品の交換を終えると松井克哉船長、神戸市の川中徹・港湾局副局長らが同船を背景に記念撮影した(1枚目の写真)。川中副局長はあいさつで、ぱしふぃっくびいなすの就航前に客船として運航していた「おりえんとびいなす」が95年の阪神淡路大震災の際、神戸港に真っ先に駆け付け、ホテル船として復興に貢献したことに改めて謝意を述べた。
松井船長はあいさつで「学校を卒業して初めて乗組員として乗船した『おりえんとびいなす』も神戸から出航した」「神戸港は母なる港」と振り返った。「お客さまの胸の内、乗組員の胸の内にある『夢航海』の海の上では、ぱしふぃっくびいなすが永遠に航海を続けると確信している」と述べ、多くの思い出が作られた船との別れを惜しんだ。
最終航海になった「びいなすニューイヤークルーズ」は神戸から石垣島や沖縄本島を巡って2023年1月4日に神戸港に戻る。238室が全室完売した。エイチ・アイ・エス(9603)傘下のクルーズ専門旅行代理店であるクルーズプラネットでは、ぱしふぃっくびいなすの12月の神戸出航には毎回「ありがとう! ぱしふぃっくびいなす」と書いた横断幕(2枚目の写真)を持参して見送ったという。岡田宏之・大阪本店所長は「あたたかな乗客への『もてなし』には定評があり、『あのスタッフに会いたい』とリピーターになる乗客も多かった。とてもお世話になった船で、これが最後になるのは本当に残念」と話していた。
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