街の外から人を呼ぶ市街地に 新港地区と中突堤「ウォーターフロントビジョン」
- 2022/12/27
- 10:04
【神戸経済ニュース】神戸市は2011年3月に作成した「『港都神戸』グランドデザイン」のうち、中突堤周辺から新港第1〜4突堤付近を対象として計画を具体化する「神戸ウォーターフロントビジョン」を公表した。港湾機能の沖合展開に伴い、かつての港湾地区を市街地に転換する方針は決まっていたが、街の外から人を呼び、にぎわいを作り出す都市機能を配置する方針を改めて示した(図=神戸市提供)。ビジョンでは2030年代前半ごろの同地区の姿を描くことで、取り組む施策の方向性を示した。
新港第1突堤と第2突堤の間の海面はマリーナとして利用。スポーツやレクリエーションに使う小型船を係留するだけでなく淡路島、須磨、神戸空港などに向かう旅客船の発着などを想定する。第2突堤には25年4月に開業するアリーナを建設。突堤の基部ではオフィスや商業施設などで市街地化に取り組む。中突堤中央ビルは商業施設として再開発することで、さまざまなイベントによって、にぎわいを生み出して地域の価値向上をめざす。
新港第1突堤とメリケンパークの間の地区は、この地区の玄関口の役割をはたす。阪神高速道路3号神戸線の大規模更新工事に合わせて再開発したい考えだ。ただ現在は第5管区海上保安本部などが入居する神戸第2地方合同庁舎があり、同庁舎はいまのところ移転や立て直しなどの計画などがない。同庁舎の西側にある使われていない建物も、現時点では撤去などの計画が出ていない。この地区は「三宮から最も近い海」だが、当面は国の施設として活用されるとみられる。
さらに夜間景観についても言及し、ナイトタイムエコノミー(飲食など夜間の経済)を再生可能エネルギーで支える方針を示した。今回のビジョンで対象にした地区は、国道2号線や阪神高速神戸線などで、三宮の中心市街地と分断されていることが指摘されることが多い。これについては特に言及しなかった。この地区の分断の解消を巡っては今回のビジョンとは別に、対策として税関前交差点で吊り橋状の象徴的なデザインを持つ歩道橋を、2023年度の完成をめざして建設している。
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