大栄環境の金子社長「自治体向け売上高を倍増させたい」記者会見の主なやりとり
- 2022/12/15
- 00:57

【神戸経済ニュース】東証プライムに14日、新規上場した大栄環境(9336)の金子文雄社長(1枚目の写真)は同日大引け後、東京証券取引所で記者会見して自治体向けの売上高を拡大する方針や手法、上場の意義などについて語った。記者会見での主なやりとりは以下の通り。
――初値の感想は。
「びっくりするぐらい評価いただいているという状況にある。期待に答えられるような形で、今後は企業価値を高めていきたい」
――自治体向けの売上高はどの程度をめざすのか、どのように増やすのか。
「自治体向けは倍増させたいと思っている。現在は売上高全体の20%だが、これを40%まで引き上げたい」
「すでに414自治体で、何らかの形で取引をさせていただいているので、深追いするというか、関係を重視して、売上高の拡大につなげていきたい」
――上場会社であるダイセキ(9793)やTREホールディングス(9247)傘下のタケエイとの競合状況はどうか。
「ダイセキさんは、廃油や廃液に特化していて、当社の事業とは直接競合することはない。子会社のダイセキ環境ソリューション(1712)さんは、土壌浄化処理を手掛けており、そことの競合はある。ただ私どもと昔から付き合いがあり、ダイセキ環境ソリューションさんの能力をオーバーするような土壌については、私どもの子会社で処理をするといったことがある。ダイセキさん本体からは、中間処理した後の残渣(ざんさ)を私どもの処分場で処理させていただいているという関係もある」
「タケエイさんとは石膏(せっこう)ボードのリサイクルで共同出資会社を設立しており、関西地域では私どもの子会社が担当させていただいている。(TREホールディングスを設立してタケエイと経営統合した)リバーホールディングスの子会社で、メジャーヴィーナス・ジャパンという会社は、リバーホールディングスと当社の50%ずつの折半で共同出資している。タケエイさんの廃棄物、またメジャーヴィーナスさんの廃棄物も私どもの施設で処理させていただいている、といったお付き合いもある」
「共同土木(埼玉県上尾市)という首都圏で大規模な中間処理施設を持つところを2年前にM&Aで取得した。東京で非常に大きな許可を持っており、事業を拡大していきたいが、そういう中でタケエイさんとの競合は生じる可能性はあると考えている」
――当面のM&Aの予定はどうか。
「上場準備をするということで、この2年間はM&A案件については実質的に止めていた。その間も、私どものグループに入りたいと、いろいろな話をいただいた。上場後については、M&Aを待っていただいた方々と具体的な形の話を進めていきたい」
――上場準備を進める中でコーポレート・ガバナンス(企業統治)の体制は強化されたか。
「まず3年前に規定・規則を、すべて見直した。それによってプライム市場の上場基準に合う形のガバナンス体制を構築した。取締役も社外から3分の1強、また監査役についても3分の1強が社外ということで、管理体制が非常に良くなり、きちんとできる体制が構築できたかなと考えている」
――売り出し株式の放出元であるウイングトワとは何の会社か。この会社は今後も保有比率を下げるのか。
「ウイングトワは、わたくし金子と親族の資産管理会社だ。大栄環境の成長はずっと見守っていきたいと考えている。それは機関投資家向けにも話をしており、当分の間は今の比率を維持したいと思っている」
――株主優待を実施しない理由は。
「現在将来に向けて大きな投資をしており、将来の収益につながるチャンスであることから、(株主優待よりも)そちらを優先したいという面がある。ただ配当性向については30%をめざすと打ち出したので、確実な形で実行していきたい」
(2枚目の写真は14日に東証で開いた上場セレモニー=大栄環境提供)
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