「都市の歴史は不連続には変わらない」 UDC078の藤井センター長に聞く

20221212UDC藤井氏

【神戸経済ニュース】11日に神戸市内で開いた公民学で連携する街づくり組織アーバンデザインセンター(UDC)の全国大会「第10回アーバンデザインセンター会議 in 神戸」で、ホスト役を務めたUDC078(神戸市灘区)の藤井信忠センター長(神戸大教授=システム工学、写真)に、今後の都市のあり方や、想定される都市の未来などについて聞いた。

 「海外の研究者の話を聞いていて興味深かったのは、日本では常識的な過疎地域の福祉向上などを目的とした情報通信技術の活用が、それほど受け入れられていないということ。新たな費用のかかることは(多くを負担できる)裕福な都市部から、といった考え方があるようだ。一方で日本の気質として、新たな技術に対して住民側に心理的な抵抗が小さいという面もある。新技術について整備にも利用にも前向きな日本でこそ、世界のどこにもない新しい都市の姿が現れるのではないか」

 「とはいえ新たな技術が急に入ってきて、そこで都市の歴史が不連続的に変わることはないだろう。インターネットにしても、スマートフォンにしても、じわじわと仕事や生活の中に入り込んで、都市での過ごし方を変えるまでになった。都市のすべてが一瞬で変わってしまうことがない限り、変化は歴史をふまえたものになる。短いながら150年の歴史がある神戸も、この150年の歴史を無視した今後はあり得ないということだ」

 「トヨタ自動車が静岡県で建設しているスマートシティー『ウーブン・シティ』は、実験場としての期待は大きいにしても、はたして、そこで住むことが幸せにつながるのかは分からない。過去を意識しながら新しい街づくりをどう考えるのか、そして不連続的な変化を起こし得るような新技術などに都市が直面したとき、それを過去とどう整合させるのか。これは難しいことだけれど、都市を考えるうえで最も面白いところの1つだからだ」

 「各地でも神戸でも取り組みが盛んになっている、さまざまな実証実験や社会実験は、実は『わたしたちが何を望んでいるのか』を再確認するきっかけにすぎないのではないか。AI(人工知能)だとかIoT(道具やセンサーをネット接続する常時情報収集・監視)といったスマートシティーの技術が注目されているが、本当に都市を変えるのは、たとえば歴史だったり、あるいはアートだったり、人の心が動くことであるように思える。僕らのような技術者だけでは成立せず、そこに人が居てこそ街。都市計画は総合科学だと思う」

(聞き手は神戸経済ニュース編集長 山本学)

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