公民学連携の街づくりネットワークが全国大会 第10回UDC会議・神戸で開催
- 2022/12/12
- 03:55
【神戸経済ニュース】国内各地で公民学が連携して地元の街づくりについて考えるアーバンデザインセンター(UDC)の全国大会「第10回アーバンデザインセンター会議 in 神戸」が11日、神戸市中央区のデザインクリエイティブセンター(KIITO)で開かれた。全国23カ所にあるUDCのうち活動を終えた団体などを除く17カ所のUDCが、会場やオンラインで活動状況を報告し合った。加えて開催地である神戸を拠点とするUDC078から「都市でのつながりとは何か」について問題提起した。(1枚目の写真は記念撮影する参加者ら)
全国で駅前の再開発などが進む中、事業主体になる行政だけでなく、公共空間を利用する民間や、専門知識や技術といった先進的なアイデアを持つ大学が幅広く連携し、「わが街ならではの街づくりをしよう」と各地でUDCの設立が相次いだ。神戸でもUDC078も2018年に設立し、全国ネットワークを構成する。各地のUDCによる活動報告では、IT(情報技術)を活用して管理運営などを高度化するスマートシティーに関連する実証実験や社会実験をUDCが打ち出すなど、街づくりに新しいアイデアを吹き込もうとする意欲的な取り組みが紹介された。
各地からの報告に続いて開いた「神戸セッション」では、関西電力で神戸市中心市街の人流調査などに取り組んだ室龍二氏、街中での映画やドラマの撮影を支援する神戸フィルムオフィスの松下麻理代表、神戸港の旧港湾部を市街地化する再開発でできた都市型水族館「アトア」の中山寛美館長がパネル討論。交通や物流、神戸の中の外、人と生物、日常と非日常など「つなぐ」ことこそ都市生活を豊かにするが、そのために「伝わりやすいメッセージ」が必要になることがある指摘した。司会はUDC078の藤井信忠センター長(神戸大学教授)が務めた。
UDC設立を検討している神奈川県小田原市の守屋輝彦市長(2枚目の写真)も参加。あいさつした守屋市長は「鎌倉時代から集落があり、戦国時代、江戸時代、明治時代にもいろんな政財界の要人が集まった。そうした時代をしっかりつないでいく」「神戸と同じく海から車で数分いくと山あいがあり、都市と農村をしっかりつないでいきたい」と話していた。岡山県倉敷市、大阪府東大阪市でも設立を検討中という。一方で、6グループに分かれて実施した分科会では、各地とも人材や予算の確保に加え、具体的に話を進めると公民学の間で意見がまとまりにくい、といった悩みも共有していた。会場には約80人が集まった。
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