IPO 大栄環境(1)14日に東証プライム上場、一般・産業廃棄物を処理
- 2022/12/06
- 12:45

【神戸経済ニュース】一般・産業廃棄物の処理を手掛ける大栄環境(9336)が14日に、東京証券取引所のプライム市場に新規上場する。公募・売り出し(公開)価格は5日に、仮条件(1270〜1350円)の上限である1350円に決まった。オーバーアロットメントによる追加売り出し株数も上限の481万5000株に決まり、新規株式公開(IPO)に向けた投資家の需要も積み上がったようだ。最終処分場を自社で保有することによる、廃棄物の高い処理能力が強みだ。
製造業やゼネコンといった企業活動によって排出する産業廃棄物の処理だけでなく、自治体から家庭ごみなどの一般廃棄物の処理も請け負う。産業廃棄物は製造業による生産活動や、建築物の着工件数などで変動し、景気に左右されやすい。これに対して相対的に景気に左右されにくい家庭ごみの比率を順次高めることで、安定した収益の拡大をめざす。
1979年に産業廃棄物の専門業社として、大阪府和泉市で大栄環境を設立。80年に同市内で同社初の最終処分場を開設した。廃棄物処理・資源循環の事業は連結売上高の87%を占める主力事業だ。廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化、最終処分までを一貫して手掛ける。廃棄物の大量輸送や広域輸送にも対応。693台の車両に加えて、廃棄物専用の海上コンテナ800基以上を保有する。
廃棄物を再生利用するための選別・破砕、体積を小さくするための焼却などを実施する中間処理施設は全国に25カ所。一般廃棄物と輸入廃棄物を除く産業廃棄物の全20品目に対応する処分業許可、特定有害汚泥・廃石綿等など「特別管理産業廃棄物処分業許可」を持つ。幅広い廃棄物に対応できるようになった経緯に、グループ会社を合併・買収(M&A)で増やしてきたことがある。子会社の増加を受けて、グループのガバナンス(企業統治)を向上させるのが、株式公開の主な目的だ。
2022年3月期の1株あたり利益(84.16)円と公開価格から計算したPER(株価収益率)は16.0倍で、東証プライム全銘柄(14.2倍)との比較では、やや割高感が指摘されそうだ。同日には、より注目度の高いスカイマーク(9204)の再上場もあることから、「初値は(公開価格比で)大きく上昇しないとみられるが、収益の安定感に着目した需要は根強いだろう」(準大手証券)との見方は多い。
(神戸経済ニュース編集長 山本学)
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