川重、水素も使える発電用エンジンで基本設計承認 世界初・水素運搬船に搭載へ

20221130水素だきDFエンジン

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は30日、水素と従来の低硫黄燃料油の両方を燃料にできる船舶向けの発電用エンジン(イメージ図=川重提供)で、日本海事協会(東京都千代田区)から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。船の動力になる主機関とは別に、船内に電力を供給するための発電用エンジン。水素を燃料とする発電用エンジンがAiPを取得するのは世界で初めてだ。2020年代半ばに建造を計画している、約16万立方メートルのタンクを備えた液化水素運搬船に搭載し、船舶から排出する二酸化炭素(CO2)を一段と減らす。

 水素燃料は積荷として搭載している水素タンクから、自然に蒸発する水素ガスを利用。水素燃料を選択するときは、水素ガスを95%以上の比率で燃料油と混合して燃料にする。200台以上の販売実績がある天然ガス専用のエンジンをもとに設計した。水素は天然ガスに比べて燃焼温度が高く、エンジンへの負荷は高い。加えて燃焼速度が速く、炎が逆流しやすいという性質もある。こうした技術的な課題を克服し、安定した燃焼ができることを確認した。

 水素燃料使用時の定格発電出力は2400キロワット。シリンダーの直径は300ミリメートルある。このエンジンの開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金を受けた事業「舶用水素エンジンおよびMHFS(舶用水素燃料タンクおよび供給システム)の開発」の一環として進めている。

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