冷凍食品も「レストランの味をご家庭に」 ロック・フィールドの古塚社長に聞く

20221129古塚社長

【神戸経済ニュース】ロック・フィールド(2910)の古塚孝志社長(写真=同社提供)に、新ブランド「RFFF(ルフフフ)」を立ち上げて冷凍食品に本格参入するねらいや、今後の展望を聞いた。古塚社長は、従来の冷凍食品では品ぞろえが手薄な分野である高級感のある料理を冷凍食品で投入し、冷凍食品の市場拡大を考える。家庭では手間がかかる「レストランの味」を提供することで、従来品との違いを出す。
(聞き手は編集長 山本学)

 --競争が厳しい冷凍食品に挑戦するねらいは何か。

 「冷凍食品全体をみると、たとえばチャーハンといった日常的なものは非常に厳しい競争がある。当社は『レストランの味』って何だろうということを、ずっと考えてきた。現在の主力であるチルド(RF1などの冷蔵)の食品も、それを大事にしている。冷凍食品の世界を少し客観的に見た場合、ハイエンド(最高級)な料理が、どの程度あるのかといえば、まだまだまだ少ないのではないか。創業の理念である『レストランの味をご家庭に』を、冷凍食品を通じて提供することで、食卓のバリエーションを広げられると思った。日常的な食品を安価に提供するのとは別の観点で商品を提供することで、特徴を出せると考えている」

 --素材や味で競争を勝ち抜いていくということか。

 「素材については幅広く調達する経路がすでにあり、現在チルドで使っている食材と変わらないものを使っていく。味については、やはり家庭でできないことは、たくさんあると思う。ソース1つを取っても、しっかりとブイヨン(牛肉、牛骨や野菜を煮込んで作る洋風のダシ)を取って、何日も時間をかけて煮込んでといった手間をかけるのは、なかなか難しい。それを当社が冷凍食品を通じて提供する。日常的な調理済みの食品や、家庭での料理との違いを出していきたいということだ」

 --どういった販路を想定しているか。

 「いまの段階では、量販店向けというよりも、いわゆるグルメスーパー、高級スーパーと呼ばれているような、スーパーの中でも少し価格帯が高め、あるいは高品質に特化したような差別化された店舗での販売を想定している。あとは当社のサイトを含むネット通販だ」

 --2025年の売上高10億円という目標は控えめではないか。

 「いろいろ見方はあると思うが、しっかりとスタートを切るうえでは供給体制を固めることも必要だ。そこで第一段階として10億円というターゲットにした。これを超えるとなると、新たな設備投資が必要になると考えている。今回の設備投資は一部にとどめて、いま持っている製造能力の範囲内でいったん10億円を目指したいということだ。供給を増やす時期が来れば、そのときにはもう少し投資も加速させたいと考えている」

 --約30品目を発売したが、今後の展開は。

 「まだまだ不足しているものが多いと思っている。過去に販売した経験もあるシチューといった煮込み料理など、特徴的なソースを生かせて、レストランで好まれるメニューなどが次の候補になりそうだ。ちょっとした前菜っぽいものと、スープ、そしてメインというコースの流れを冷凍で提供することを考えると、チルドのサラダを組み合わせるという提案もできる。冷凍とチルドという2つの軸で、いかに食卓を華やかに、楽しくするかを考えていきたい」

 --冷凍食品だと海外進出も考えやすくなりそうだ。

 「もちろん考えている。すでに香港の現地スーパーと協議を始めた。商品のラインアップを提示しており、詳細が決まるのは年明けになるとみている。日本で製造した冷凍食品を船便で輸出して、香港で販売できる見込みだ。もともと香港と上海にはRF1の店舗があり、現地で野菜を調達して総菜を作って販売している。上海は、すべて現地の材料を使わなくてはならないが、香港では日本で製造したものを持っていきやすいルールになっている。海外展開はできるところから、積極的に考えていきたい。高品質な日本の食品に人気がある香港で受け入れられれば、当社の冷凍食品の海外展開にも弾みが付く」

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