神戸市、東灘処理場で発生するガス→発電→水素 24年から・神鋼環境など受注
【神戸経済ニュース】神戸市は28日、下水処理施設の東灘処理場(神戸市東灘区、写真=神戸市提供)で、バイオガスによる発電と、発生した電気で水素を製造する新事業を始めると発表した。バイオガスは下水処理場で発生する下水汚泥と、近隣の食品工場などから集める食品廃棄物から製造する。新事業に向けた施設整備と運営を神戸製鋼所(5406)傘下の神鋼環境ソリューションと神鋼環境メンテナンス、アイテック(大阪市北区)、大栄環境(9336=12月14日新規上場)の4社が受注した。
東灘処理場は1962年に運用を開始した神戸市の基幹処理場の1つ。下水道に欠かせないインフラであると同時に、汚泥から発生するガスの有効利用としてガスの都市ガス化や、自動車燃料としての利用に取り組むなど、特に阪神淡路大震災以降は再生可能エネルギーの供給元としての役割も模索してきた。ただ汚泥処理設備の老朽化が課題になってきたことから、神戸市は施設の再整備を実施するのを機に、新事業にも乗り出すことを決めた。
新たな設備では、汚泥の脱水をより強化したうえで、バイオガスの新たな有効利用に取り組み、食品工場が多い近隣の再生可能資源(バイオマス)の受け入れを積極化する。これを具体化するうえで、従来は下水処理場になかった発電施設を設置。バイオガスを燃料に発電することで、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を利用した電力会社への売電や、水素の製造に取り組めるようになる。
水素は標準状態で年間6000立方メートルの供給を予定する。1日分では水素自動車が約210キロ走れる程度になるという。東灘処理場に水素ステーションを併設して、供給を始める。バイオガス発電と水素ステーションは2024年4月の稼働を予定する。
神鋼環境ソリューションは不要になった既存設備の撤去と新たな設備の設置工事を受注。同社を含む4社が44年3月31日までの施設運営を受注した。受注額は神鋼環境ソリューションの工事請負契約が45億7600万円、維持管理委託契約が4社による共同事業体の全体で62億6100万円だった。18日に神戸市と4社の間で、事業基本契約を結んだ。
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