(動画)山陽電、ドローンで高架橋補修の実証試験 鉄道で初・年度内に実用化も



【神戸経済ニュース】神戸と姫路を結ぶ路線が主力の山陽電気鉄道(9052)は、ドローンを使って高架橋の点検と応急処置をめざす実証実験を関係者などに公開した。すでに高架橋や河川にかかる橋の点検には多く使われているが、亀裂などを見つけた場合の補修に活用するのは実用化すれば鉄道では初めて。山陽電はNTT西日本傘下のジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京都港区)と連携して開発を進める。JIWの柴田巧社長は「他の分野では実際に使用しており、鉄道向けも年度内に実用化したい」と話す。

 ドローンは高架橋に接近し、画像を撮影。撮影した映像を離れた場所で作業員が目で見て点検する。点検中にコンクリートの亀裂などを発見した場合は、ドローンに搭載した補修剤を亀裂にめがけて噴射し、亀裂から水が入ったり、さらに亀裂が広がったりするのを防ぐ。従来であれば高所作業車を出動させて補修するが、同じ人員でも作業時間が短くて済む可能性が高い。特に複数の補修があれば、差は大きく出やすい。すでに電波塔などの補修には実用化しているが、鉄道ではこれから、というわけだ。

 実証実験は15日に、山陽電網干線の飾磨〜西網干間で実施した(動画)。JIWが開発した、距離を測定して噴射した場合の放物線の描き方などをアプリが計算し、ノズルの角度を自動的に調整して、補修剤を塗布する噴射機を使用。橋脚に目標を取り付けて5メートル、3メートル、1メートルの距離から噴射を試みた。このときは補修剤の代わりに水を使い、噴射の精度を検証した。目標から遠ざかると、風で飛ばされて補修剤が届かない。5メートルではほとんど水は目標に当たらず、1メートルまで接近すれば、かなり正確に目標に当てることができた。

 この日は実証実験を午前と午後に分けて公開し、目標からの距離と精度の検証に加えて、実際に高架橋の欄干(らんかん)の位置までドローンを持ち上げて噴射したり、水平飛行を交えて連続的に噴射したりする実証実験も計画していた。だがバッテリーを交換すると、ドローンが噴射口を認識しなくなり、ドローンの制御機器で制御できない障害が発生。障害の発生はドローンも検知したとみられ、飛行できない状態になり、実証実験を午前の精度検証の時点で打ち切った。

 午後には多くの鉄道会社の視察や、神戸経済ニュース以外のメディアも取材を予定していたが、ドローンは飛ばなかったという。地下鉄の一部に高架区間がある札幌市交通局の担当者は「前回の札幌オリンピックに合わせて建設したため高架橋も50年が経過し、補修の効率化には期待している」と話していた。精度検証の実験だけは実際に見ることができたが「このためだけに札幌から来た」というだけに、やや残念そうにしていた。大きな関心を集める実証実験だっただけに、再度の実証実験に期待がかかる。

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