三星ベの今期、純利益一転の7%増に上方修正 円安で海外拡大・需要も堅調
- 2022/11/08
- 15:32

【神戸経済ニュース】自動車向けなど工業用ベルトを製造する三ツ星ベルト(5192)は8日、2023年3月期の連結純利益が前期比7%増の68億円になりそうだと発表した。従来予想である1%減の63億円から、一転の増益見通しになった。過去最高益をを更新する。外国為替市場で円相場が想定以上の円安で推移しており、従来想定よりも海外収益が拡大する見通しになったという。
売上高は11%増の830億円、営業利益は14%増の87億円を見込む。従来予想は775億円、80億円だった。業績予想の前提になる為替レートは期中平均で1ドル=135円、1ユーロ=137円とし、従来の115円、125円からそれぞれ円安方向に見直したのが大きく寄与する。海外では東南アジアを中心に、自動車用のほか農業用など一般産業用のベルト需要も堅調で、販売数量も従来予想を上回る見通し。
年間配当金は240円(うち中間120円)と、従来の220円(うち中間110円)から20円を積み増すことも表明した。同社は今期の配当性向を100%にする方針を示している。今期の1株利益は239.55円の見込みで、配当性向は100.2%になる計算だ。
同時に発表した22年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比34%増の39億円と、4〜9月期としては過去最高だった。新型コロナウイルスによる停滞からの回復局面で、東南アジアを中心とした海外需要が増加。円安もあって増収効果で利益が伸びた。売上高は15%増の425億円、営業利益15%増の45億円だった。
円安によって4〜9月期の売上高は約35億円押し上げられたという。一方で原燃料高を受けた価格転嫁による値上げの寄与は2億円程度だった。テレビ会議システムを通じて記者会見した池田浩社長は、「下期には、10億円程度の値上げの効果が出てくるとみている」「値上げは浸透していくだろう」と話していた。
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