ジャンボフェリー「あおい」就航、船上で記念式典 輸送能力が約4割増加
- 2022/10/22
- 09:53
【神戸経済ニュース】神戸港と香川県の小豆島・高松港を結ぶジャンボフェリー(神戸市中央区)は22日早朝、新造船「あおい」の新規就航を記念した式典を、同船の甲板上で開催した。同社の山神正義社長はあいさつし、「地元のメーカー、荷主さま、それに関わる物流業者さまから、(トラックから環境負荷が低い輸送手段に変更する)モーダルシフトやドライバー不足を解決する一翼をになうよう、社員一丸となって取り組みたい」と強調。「それによって地域活性化につながると確信している」と語った。大型トラックなどの貨物を輸送する同船の輸送能力は、従来船に比べて4割程度増える。
来場者としてあいさつした、国土交通省の田淵一浩・神戸運輸監理部長は「安全運航をぜひ徹底していただきたい」と述べ、旅客船事業の拡大に期待した。神戸市の油井洋明副市長は「小豆島を象徴するオリーブ、石、棚田、醤(ひしお)がデザインに取り込まれた上品で遊び心のある船から、瀬戸内海の美しい景色を眺めるのが楽しみ」という。盛山正仁衆院議員は「エレベーターにストレッチャーを乗せられる大きさにするなど、万が一のときを考慮した対応にも感謝したい」と話した。赤羽一嘉衆院議員は「小豆島までの3時間の旅を堪能(たんのう)してみたくなる船が、いよいよできた」と述べ、観光の活性化への期待を語った。
神戸市議会の安井俊彦議長は、「神戸空港の国際化を機に、瀬戸内海クルーズを活性化する拠点を神戸にしようという議論が持ち上がる中、思い切った事業に乗り出していただいてありがたい」と力を込めた。さらに、1995年の阪神淡路大震災の際にジャンボフェリーが、当時フェリーターミナルがあった東灘区青木の周辺住民に対して、浴室を提供した経緯を振り返り、救われた思いだったという。「あのご恩は一生忘れない」とも語った。
乗客や自動車を載せた新造船「あおい」は定刻の午前8時半を少し回って出航。神戸市の消防艇が放水して、神戸からの初出航を見送った。
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