六甲摩耶で「小型電動車」運行など交通社会実験 11月23〜27日・バスダイヤ改正

20221020久元市長

【神戸経済ニュース】神戸市の久元喜造市長(写真)は20日の定例記者会見で、六甲山・摩耶山で山上交通の利便性を高める交通社会実験を実施すると発表した。11月23〜27日の昼間時間帯には低速の小型電動車「グリーンスローモビリティ」を、六甲山牧場〜摩耶山掬星台(きくせいだい)の間でおおむね10分間隔で運行。好きな場所で自由に乗り降りできるのが特徴だ。加えて六甲山や摩耶山の山上バス「六甲摩耶スカイシャトルバス」「六甲山上バス」のダイヤを改正し、両者を乗り継ぎしやすくする。さらに六甲山牧場にレンタサイクル「マヤチャリ」の貸し出し・返却拠点を増設する。

 グリーンスローモビリティは時速20キロメートル以下で行動を走る小型の電気自動車。都心部や観光地など用途に応じて、各地で導入が進んでいる。今回の社会実験では8台を投入。摩耶ロープウェーの山上駅である摩耶山掬星台と六甲山牧場南駐車場(六甲山QBBチーズ館前)を、午前9時10分〜午後5時15分の間に約10分間隔で運行する。所要時間は約20分を想定する。最も大きい10人乗りの車種は2台。最も小さい車種では4人乗りだ。こうした乗り物に山上で需要はあるのか、神戸市内の他の地域で利用できるかなど幅広く検討する。

 神戸市バスとケーブル・ロープウェーなど山上までの交通や、山上バスの乗車券、三乗施設の割引券などがセットになった企画乗車券を、無料で利用するモニターも募集する。モニターは11月23〜27日のうち1日以上、六甲山・摩耶山エリアを観光で訪れ、全地球測位システム(GPS)を利用して移動経路を記録するための小型携帯機器「GPSロガー」を持ち歩いたうえで、アンケートに答えることが条件だ。専用サイトから申し込むか、応募用紙に記入して郵送する。当日応募も可能とした。事前の募集期間は21日〜11月4日だが、応募が多い場合は早めに締め切ることがある。

 これまで六甲山・摩耶山の山上では六甲摩耶スカイシャトルバスと六甲山上バスの接続が悪いほか、六甲山牧場と六甲ケーブルの六甲山上駅を結ぶバスの便数が少ない、摩耶山掬星台から摩耶山の魅力を楽しむための移動手段が不足しているといった課題があった。このため神戸市は「六甲山・摩耶山の交通のあり方検討会」などで交通機関の円滑化などについて検討してきた。建築規制の緩和などで活性化しつつある六甲山・摩耶山の利便性を改善することで、さらに神戸市内外から観光客を呼び込むのがねらい。

 六甲山上のアートイベント「六甲ミーツ・アート芸術散歩」の会期終了後、六甲山上の混雑が一服する期間を見計らって交通社会実験の時期を決めた。摩耶山では、23〜27日には摩耶山各所でイベントを展開する「秋のマヤカツまつり」を開催。さらに土日である26・27日を中心にキッチンカーや飲み物などを掬星台や穂高湖周辺に出店する。久元市長は「今回の社会実験では摩耶山に関して(普段から)活動する方から提案いただいたものもある」「市民ぐるみ、地域ぐるみでの六甲山・摩耶山の活性化を、交通社会実験とともに強力に進めていきたい」と話していた。

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