大阪万博、主要9駅からシャトルバスで来場者輸送 海上交通「期待が高い」
- 2022/10/18
- 11:03
【神戸経済ニュース】2025年に開催する国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体である日本国際博覧会協会は17日、会場への来場者を円滑に輸送するための「来場者輸送具体方針」を発表した。6月に発表した「基本方針」に基づいて具体的な輸送ルートを設定した。主力の輸送手段になる大阪メトロ中央線に加え、鉄道の主要9駅と会場をシャトルバスで結ぶ。さらに会期前半に割引入場券を発行するなどで、会期末に近づくほど増えやすい来場者の平準化もねらう。輸送に関する協議会の議長である内田敬・大阪公立大教授らが大阪市内で記者会見した。
会場とシャトルバスで結ぶのは新大阪、大阪、中之島、上本町、天王寺、弁天町、堺・堺東、桜島、尼崎の9駅。シャトルバスは予約制として、鉄道で近郊から来場する人の輸送需要を吸収する。遠隔地からは大阪国際(伊丹)空港と関西国際空港から会場への直行バスを運行する計画だ。原則として公共交通機関の利用を呼びかけるが、自家用車で来場する場合は尼崎と堺の会場外駐車場に誘導し、駐車場と会場の間もシャトルバスで結ぶ。大阪メトロの輸送力増強とバス輸送で、大阪メトロの混雑率は通常の120%に近づけるのを目標とした。
2005年の日本国際博覧会(愛知万博)の際は会期後半に来場者が増え、会期末には混雑が顕著になったのを考慮した対策も必要になるという。会期前半に割引になるチケットの販売や、来場者の集中が見込まれる日の駐車料金値上げ、閉場時間の退場者が分散するようイベント終了時刻の調整、団体ツアーの行程調整といった、来場者の平準化して輸送機能を確保する方針も打ち出した。会期中は混雑しやすい経路を避けて迂(う)回するよう大阪周辺の住民らにも呼びかける。
一方で、尼崎や堺の駐車場から会場まで、もしくは神戸から会場までの海上交通については今回「具体方針」には盛り込まなかった。博覧会協会の淡中泰雄・運営事業局交通部長は、船舶の輸送力に対して「期待が高い」としながらも、現時点では「運航していただける事業者の目鼻が立たない」「船員の確保などで具体性を欠く」と話す。輸送計画をさらに具体化して公表する23年春に向けて、「計画に盛り込めるよう調整していきたい」と述べた。輸送計画は会期まで今後、半年に1回ずつ改訂して公表する方針も示した。
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