神戸港と米ロングビーチ港、脱炭素化で連携協定 神戸市内で締結式

20221014締結式

【神戸経済ニュース】神戸市と米カリフォルニア州のロングビーチ市は14日、神戸港とロングビーチ港の間でパートナーシップ港として連携協定を結んだ。神戸市内のホテルで神戸市の久元喜造市長、ロングビーチ市のロバート・ガルシア市長と両港の経営幹部が集まり、協定の締結式を開いた。両港で「脱炭素化」を共通目標として、港湾のインフラ整備や港湾運営の高度化に向けて協力する内容にしたのが特徴だ。神戸港が海外の港湾と連携協定(MOU)を結ぶのは16港目だが、米国の港湾としては初めてだ。

 締結式で久元市長はあいさつし、神戸港では川崎重工業(7012)や岩谷産業(8088)が世界初の液化水素サプライチェーンを構築する実証事業などの二酸化炭素(CO2)削減に向けた取り組みを展開していると紹介。そのうえで「カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)の実現に向けた取り組みをとても楽しみにしている」と話した。

 ガルシア市長は、まず「昨夜の夕食の神戸ビーフは素晴らしかった」と話して式場を沸かした後、今回の協定締結が「神戸港、ロングビーチ港の双方にとってチャンスであり連携を深めていきたい」と述べた。「持続可能性、気候変動の阻止、レジリエンス(柔軟性)は重要であると考えており、ロングビーチ港は米国で最もグリーンな港になることをめざしている」と話した。ロングビーチ港は30年までに港内すべての荷役機器で温暖化ガスの排出削減実質ゼロなど、米政府よりも強力な目標を掲げている。

 協定書には神戸市港湾局の長谷川憲孝局長、川中徹副局長、松木隆一副局長、ロングビーチ港湾局のノエル・ハチェガバ副局長、ロングビーチ港経営委員会のシャロン・ワイズマン会長、ボニー・ローウェンタール秘書官の6人が署名。両市長は締結を記念した楯(たて)を互いに交換した。式典ではロサンゼルス駐在の曽根健孝・総領事も両港の連携に期待するビデオメッセージを寄せた。

 締結式に続く意見交換では、川重の橋本康彦社長が「水素の技術で神戸市、ロングビーチ市に貢献したい」、岩谷産の間島寛社長が「ロングビーチでの脱炭素の取り組みも勉強し、両港の脱炭素に貢献したい」とそれぞれ話した。ワイズマン氏は「2006年に当時のカリフォルニア州知事であるシュワルツネッガー氏が『水素を使った高速道路を建設する』と話したが、この締結式に出席して、ついにそのときが来たと実感した」と話していた。米ロングビーチ氏の訪問団は16日まで日本に滞在する予定という。

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