神戸製鋼、鉄鉱石を100%水素で還元する商業プラントを受注 世界初・出資も

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所(5406)は12日、スウェーデンの製鉄スタートアップであるH2グリーンスチールに、鉄鉱石を100%水素で還元して製鉄材料の「還元鉄」を取り出す商業用のプラントを、米子会社のミドレックス・テクノロジーズと同社のライセンス供与先であるポールウース(ルクセンブルグ)の共同企業体が受注したと発表した。すべて水素で直接還元する還元鉄の商業用プラントを実際に建設するのは、世界で初めて。H2グリーンスチールは2025年に年産210万トンの還元鉄生産をめざす。

 神戸製鋼は同時に、H2グリーンスチールへの出資を決めた。加えて将来的に、成形して移動しやすくした還元鉄「HBI」を同社から購入することに向けた協議も始めたという。出資額や出資比率は明らかにしていない。新たなプラント受注のため2023年3月期の業績にも影響する可能性があり、11月9日の決算発表までに影響の有無を含めて精査するとしている。

 製鉄事業での二酸化炭素(CO2)排出は、石炭の炭素で鉄鉱石の酸化鉄(鉄鉱石)を還元して鉄を取り出し、CO2を廃棄するプロセスでの排出が大半を占める。このため石炭に代わって水素で鉄鉱石を還元すれば鉄と水が残り、CO2の排出を大幅に減らせる。H2グリーンスチールは再生可能エネルギーで発電した電気で、水を電気分解して作った水素だけでの製鉄をめざす。従来の製鉄・製鋼工程に比べてCO2を95%削減したい考えだ。

 H2グリーンスチールを巡っては、7月に日立(6501)傘下の日立エナジーも出資を表明した。出資額などは開示していない。

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