神姫バスが「貨客混載」を強化 既存の路線維持めざす・エキソアレ出張販売も

20221011貨客混載

【神戸経済ニュース】兵庫県内のバス大手である神姫バス(9083)が貨客混載の事業を強化している。沿線人口の減少を背景に、中長期的には乗客数の増加が見込みづらい中、乗客とともに貨物の輸送に乗り出し、新たな収入源を得て既存路線の維持をめざす。さらに高度経済成長期に開発されたニュータウンでは、店舗の減少などを補う役割への期待も高まる。5日から路線バスを活用した、ショッピングセンターの商品などを移動販売するのに加え、飲食店が仕入れる野菜の配送サービスの実証実験を始めた。

 移動販売の通称は「出張エキソアレ」。神戸市西区の西神中央駅と押部谷地域を結ぶ既存のバス路線(神姫ゾーンバス76系統)を活用し、双日(2768)が運営する西神中央駅ビルのショッピングセンター「エキソアレ西神中央」で販売している商品を月が丘団地まで運搬。月が丘センターの駐車場に停車したバスの車内で商品を販売する(写真左=神姫バス提供)。神姫バスは店舗として使えるように、後ろ半分を改造したバスを投入する。初回の5日は101人の来店客があり、弁当(2店鋪の合計40食)と食パン・コーヒー豆が完売した。

 野菜の配送は、西神中央駅と三木市を結ぶ路線(神姫ゾーンバス81系統)を活用。JA兵庫六甲の直売所「六甲のめぐみ」から仕入れる野菜や米を最寄りのバス停「農業公園」で積み込みエキソアレ西神中央内の和食店「旬菜みやこ」に納品する(写真右=神姫バス提供)。移動販売は今後も毎週水曜日、野菜の配送は週に2〜3回の頻度で、ひとまず2023年2月まで継続する予定だ。両事業は国土交通省の「共創による地域交通形成支援事業」として選ばれた全国で15件のうちの1つになった。

 神姫バスの貨客混載は18年6月に傘下のウエスト神姫(現ウイング神姫)が、日本郵便の郵便物やゆうパックなどの輸送を受託したのが最初だ。その後も高速バスを活用し、収穫したての西脇市のイチゴを大阪・梅田で販売するなど、貨客混載を進めてきた。9月10日には大丸神戸店(神戸市中央区)のバイヤーが厳選した商品を、山崎営業所(宍粟市)で販売するなど連携する店舗の幅も広がりつつある。目先は観光需要の回復などが見込まれるが、引き続き旅客運賃とは別の収益源として貨客混載を拡大したい考えだ。

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