神戸市、原油高・物価高対策の要望を強調 兵庫県への23年度予算要望

20221008予算要望イメージ

【神戸経済ニュース】神戸市は8日、2023年度の兵庫県予算に対する提案・要望を発表した。新型コロナウイルスへの対策と同様に、「原油価格・物価高騰対策」を強調したのが今回の特徴だ。事業継続や雇用維持、観光振興、公共交通の維持といった経済への影響に配慮を求める。政府が展開する経済対策などと連携して、機動的な対応を兵庫県に促したい考えだ。加えて、脱炭素への取り組みについても、従来に比べて力を入れて提案する。(図はイメージ=神戸経済ニュース作成)

 従来の兵庫県への要望では「重点項目」「その他の項目」という2部構成だったが、21年度予算への要望から「重点項目」よりも前に、より強調する形で「新型コロナウイルス感染症対策項目」を設けた3部構成にしていた。今回も3部構成を維持したうえで、新型コロナに並ぶ最も強調する項目として原油高・物価高対策に関する要望を盛り込んだ。

 ただ具体的な施策については、従業員の奨学金返済を支援する中小企業に補助金を付ける「兵庫型奨学金返済支援制度」の活用促進を除いては、あまり明確に記載しなかった。政府が10月末にも総合経済対策をまとめ、補正予算も編成する見通しであることから、国の施策に迅速に対応したうえで、兵庫県独自で国と重複しない施策も展開することへの期待もにじませた。

 一方で重点項目として、まず掲げたのは「グリーン社会の実現」だ。2050年の二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向けた取り組みの強化や、水素ステーション設置に向けた財政支援、「県民緑税」を活用した都市緑化事業の推進などに言及した。「グリーン社会の実現」は昨年も掲載していたが、重点項目のうち地方創生や三宮再開発、スタートアップ支援、神戸空港などの後に記載していた。世論の関心が高まったことで今回は、重点項目の先頭に掲げることになった。

 このほか神戸空港については、国際線就航までの大まかなスケジュールが示されたこともあり、要望の内容を整理した。2025年にも開業を求められる「新ターミナルビル」建設の支援について直接は盛り込まなかったが、神戸空港事業助成の継続実施や、神戸空港の需要拡大に向けた展開を求めた。全体を通じて提案・要望項目数は60項目。前回の項目数に比べると9項目減少した。

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