松本関経連会長「関西経済の活性化」山谷関西エア社長「G20思い出す」記者会見

20220919関西3空港記者会見

【神戸経済ニュース】18日に開いた関西3空港懇談会の終了後、座長を務めた関西経済連合会の松本正義会長(住友電工会長、写真左)と、空港運営会社の山谷佳之社長(写真右)は記者会見した。松本会長が取りまとめた今回の関西3空港懇談会で取りまとめた合意内容について説明したうえで、記者の質問を受け付けた。記者会見での主なやりとりは以下の通り。

 ーー神戸空港の国際線就航は関西国際空港の需要が増えるのが条件か。

 松本「私の理解では、いままで懇談会を進めてきた論点は『関空ファースト』だ。関空の成長を無視して勝手にやることはないというのは、懇談会のみなさんも分かっていると思う。ただウィズコロナ(新型コロナウイルスとの共存)の中でインバウンド(訪日外国人観光客)は非常に増えてくる。そうした中でワン関西、オール関西として、どういうふうに自分(関西)のアセット(資産)を活用していくのかというところ、いわばガイドラインとして合意を得たものだ。従って経済状況は万博(2025年の国際博覧会=大阪・国際万博)の後にどうなるかわからないが、状況をよくみて、関西エアポートの経営ディシジョン(判断)というものを組み入れて神戸空港を考えるべきでないか」

 山谷「すでに会長から説明していただいて、私から何の補足もないが、いま(の関西国際空港の経営状態は)本当に底だと思っていて、ともかく回復させることばかりに目が行きがちだ。そこは本当に大事なことではなるけれど、そのうえで2025年には大阪・関西万博があるし、そこからさらに成長軌道に戻したい。そのような確認、そのように関西3空港をみんなで需要喚起していこうではないか、そのような申し合わせが今回の関西3空港懇談会だった。その延長線上でどうなるんだ、というのが議論であり、それ以上の議論ではないと思っている。いまが最悪ではなくて、さらに最悪の事態があるのなら、また別途、関西3空港懇談会等々で集まっていただき、議論をさせていただくことになるのではないか」

 ーー今回の合意について関西にもたらす意味や期待はどうか。

 松本「関西の経済の活性化。東京に負けてはならない。やはりインフラから、インバウンドから、いろんな面から3空港をフルに使って、関西、大阪、兵庫、京都の活性化をめざす。それがベースにあって、こういう合意がなされた。空港だけきっちりできて関西の役に立たないということはない。3空港を一体として山谷さんが運営していいく中で、経済をリードしていくという、そういうベースがあってのことだ」

 ーー神戸空港の国際化に道筋が付いたことについて、率直な印象は。

 山谷「きょう、このように合意していただいて、何を思い出すかというと、新型コロナ前の2019年にG20(20カ国の首脳会談)を大阪で開催したことだ。世界から国の元首の方や、国際機関の方が会議に参加するために、たくさんいらっしゃった。関西国際空港がメーンの受け皿になり、伊丹空港も米国や日本の政府専用機に使われた。受け入れがうまく行ったかなと思っていると追加があって、どうしようと思ったところで『神戸空港があるな』ということで、その政府関連の飛行機を神戸空港に振り向けた」

 「このように関西において3つの空港、5本の滑走路があるのは非常に大きなことで、大阪あるいは関西が世界の都市と競争するときに空港は非常に重要だ。これを最大限活用していく。今日の合意は2019年5月の合意から、1つの新たな地点に到達する段階に立つことができた。大きな目標に向かうことができて、うれしいことだと思っている」

 ーー関西国際空港は25年に1時間あたり発着処理能力を60回に引き上げ、30年をめどに年間発着回数30万回としたが、なぜ段階的に実施するのか。25年には年30万回にならないのか。

 山谷「30万回をブレークダウン(分解)すると、関西国際空港は24時間空港だが混雑する時間帯というのがある。トータルでの発着枠と、混雑する時間帯をどうするかというのは重要な視点で、現状は1時間あたり最大45回に制限している。しかし混雑時は確実にオーバーフローしていて、60回まで閾値(しきいち)をあげる。これを逆算していくと年30万回になる。そういう関係だと理解していただきたい」

 ーー羽田や成田は滑走路の増強が相次いでいるが、首都圏に負けないためにどうするか。

 松本「いまの経済の状況を考えると、向こう(羽田・成田の合計)は100万回、こちらは50万回でバランスが取れているのではないか。ただ、われわれが頑張って人が来るようにしなくてはならない」

 ーー神戸空港の新ターミナルビルの運用開始時期は。

 山谷「即答したいところだが、これから神戸市と協議するので、現状のところ時期は頭にない」

 ーー今後の進め方に「飛行経路の見直し」とあるが、具体的な空域の想定はあるか。

 山谷「専門家なら私見をお答えするかもしれないが、あいにく専門性を持ち合わせていない。できるだけ環境への影響を最小限にとどめてほしい、ということで(国土交通省の)航空局に依頼した」

 ーー2019年5月の3空港懇談会から3年でここまで合意したことの評価は。大阪と兵庫で調整に手間取った点はあるか。

 松本「第9回(19年5月)に短期、中期、長期と分けて取り組みを整理したが、これに基づいて今回も論理的に発展させた。第9回の考え方はほとんど変わっていない。第9回はエポックメーキン的な関西3空港懇談会だった」「何か問題があったのかという点だが、歴史的な経緯もあって『なんや』と思った人もあるかもしれないが、『関空ファースト』という観点で展開されてきている中で、ワン関西、オール関西としての英断を求めていくということで努力した」

 ーー神戸に就航する航空会社のイメージはあるか。

 山谷「滑走路が2500メートルであることから考えると、2500キロメートル圏内の飛行が想定されるかと思う。すると東アジア方面だろうと思うし、幸い東アジアは世界的にみて経済成長トップのエリアであり、関経連の方針である『ルック・ウエスト』とも合致する。それは1つの切り口かなと思う。ただ、それ以上の具体的なキャリア名などはまったくの未定だ。需要があれば他の地域にも飛ばすかもしれない」

 ーー新ターミナルはLCC(格安航空会社)特化型もありうるのか。

 山谷「それは分からない。本当に今後の話になる。国際線は1日最大発着回数40回という制約があるので、需要に見合う投資になるだろう」

 ーー関西国際空港の発着回数は低迷している。

 山谷「回復させることと、そこから成長させることは、かなりフェーズ(局面)が違う。まずは、いま落ち込んでいるのは新型コロナが原因だ。まだ入国制限があるのが我が国の状況で、中国でもゼロコロナを標榜している。しかし世界の需要回復を見ていると、欧州、北米、アフリカ、南米あたりも、すでに80%以上回復している。アジア経済だと25%前後だが、部分的にはインドのように高く回復しているところもある。日本でも規制が解除されるときが、回復の道筋が見える時だ」

 「次に成長については、幸運なことに2025年に大阪・関西万博があるから、そこで空港はインバウンドの皆さんをお迎えするファーストパビリオンの役割をはたす。そのためにT1リノベーション(第1ターミナルの改装)も進めている。T1リノベーションが終わったところで大阪・関西万博を迎えるところが成長戦略にとって一番大きな弾みになるのではないか。その先には2030年前後に3空港で50万回、関空で30万回の目標に向かって、関西エアポートが遮二無二がんばる」

 --大阪府の吉村洋文知事は関西国際空港の発着回数である年間30万回を超えた分について、神戸での離発着に回すと主張している。

 山谷「関空で30万回(の離発着)を達成して、その後どうするというふうなことは(合意事項には)言及されていない。今後の関西3空港懇談会の中で、必要であれば議論になるのではないか」

 ーーこれまで神戸空港は制約で運営も難しかったと思うが、今回の合意は経営上どのようなメリットがあるのか。

 山谷「神戸空港が難しかったかというとそうではなく、発着枠・発着時間の拡大で運営権を取得して真っ先にと言わないまでも成果を出せたのが神戸空港だと思っている。神戸空港が劣後するといった発想はまったくない。神戸空港が役割をきちんとはたせればいいと思っている中で、これから新たな検討が始まるということで、ワクワクしているところ」

 ーー神戸空港の新たなインフラ整備に関する資金負担についてはどう思うか。

 山谷「これから神戸市と協議する」

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