アシックス、CO2排出量が世界最少のスニーカー 23年に発売・150ドル程度
- 2022/09/16
- 10:16
【神戸経済ニュース】スポーツ用品大手のアシックス(7936)は16日、温室効果ガス排出量を過去最少に抑えたスニーカー「GEL-LYTEⅢ CM1.95(ゲルライトスリーシーエム1.95)」を開発したと発表した。材料調達、製造、輸送、使用、廃棄の各段階で排出量の削減策を特定。快適さや品質を損なうことなく、温室効果ガス排出量を二酸化炭素(CO2)換算で1足あたり1.95キログラムと、データを開示している世界の市販シューズの中で最も低水準にすることができた。2023年の新製品として発売する計画だ。(写真は製品とイメージ=アシックス提供)
ミッドソール(甲被と靴底の間のクッション材)や中敷に使った「カーボン・ネガティブ・フォーム」の開発には、特に力を入れたという。サトウキビなどを原料にしたクラレ(3405)の「セプトンBIO-シリーズ」など複数のバイオ由来の樹脂(ポリマー)を配合。サトウキビの成長過程でのCO2吸収量が、製造過程などでの排出量を上回り、CO2排出量をマイナスとして計上できる(カーボン・ネガティブ)素材をアシックスのシューズとして初めて採用した。
温室効果ガス排出量の測定や、削減方法に関する分析と改善策は、米マサチューセッツ工科大学と2010〜12年に共同研究した。研究の成果を公表してから10年かけて、製造工程での温室効果ガス削減や、材料の使用効率の改善、環境負荷が低い素材への切り替えなどに取り組んだ。アシックスは今回の「GEL-LYTEⅢ CM1.95」の開発で、同社が掲げる50年までの温室効果ガス排出実質ゼロに向けての取り組みに弾みを付けたい考えだ。
販売は世界の直営店とアシックスのネット通販サイトなどを予定している。開発・試作段階ではアシックススポーツ工学研究所(神戸市西区)への材料輸送、同研究所から販売店などへの発送を前提にCO2排出量を算定した。量産段階ではインドネシアの工場での製造を予定しているが、製造工場に再生可能エネルギーを採用することなどで、やはり1足あたり1.95キログラムにCO2排出量を抑えるメドが付いているという。発売日や円建ての価格などは今後詰める。
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