シスメックス、「がんゲノム医療」でコンパニオン診断 用途拡大を申請

【神戸経済ニュース】医療用検査機器大手のシスメックス(6869)は6日、2018年に国内で初めて製造販売承認を得た「がんゲノム医療」の検査システム「OncoGuide NCC オンコパネルシステム」を、がん治療が有効に効くか事前に調べる「コンパニオン診断」も使えるよう用途を拡大するため、製造販売(薬事)承認の一部変更を申請したと発表した。大塚ホールディングス(4578)傘下の大鵬薬品工業が開発している進行胆道がんの治療薬「フチバチニブ」のコンパニオン診断に使う。

 フチバチニブは「FGFR」と呼ばれるタンパク質の遺伝子異常による進行固形がんの経口治療薬として、大鵬薬品が開発。7月28日に薬事承認を申請した。米国では22年3月に、優先的に審査を進める画期的治療薬として米連邦食品医薬品局(FDA)が承認申請を受理している。FGFRの遺伝子異常による影響を弱めることで、がん細胞の増殖などを止めるのがフチバチニブだ。このため遺伝子(ゲノム)の分析で、フチバチニブの効果が事前に測定でき、患者にとっては効果的な治療、負担軽減につながる。

 フチバチニブが使えるようになれば、局所進行または転移性といった胆道がんの患者にとって、新たな治療の選択肢を提供できる見通しとしている。胆道がんは国内は年間約2万6000人が発症。5年生存率が30%以下という、すい臓がんに次いで強い予後不良のがんとあって、新たな治療の登場に期待を集めそうだ。

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