みなと銀の武市社長「景気の向きは何に着目するかで違う」 企業の投資は慎重か

20220902みなと武市社長

【神戸経済ニュース】りそなホールディングス(8308)傘下で神戸市中央区に本社を置く、みなと銀行の武市寿一社長(写真)は1日、最近の兵庫県の経済情勢について「景気の向きは何に着目するかによってぜんぜん違う」との見方を語った。資源高や物流費の増大などが指摘される中でも、「コロナ禍から新たな事業を始めようという意欲は、積極的になってきている」との印象を持っているという。産業総合展示会「国際フロンティア産業メッセ」と同時開催した、みなと銀行主催の展示会「みなと元気メッセ」に合わせて記者団の取材に応じた。

 神戸市中央区にみなと銀が開設した「ビジネスプラザ神戸」を中心に、協業などを前提として2021年度に顧客同士を引き合わせた件数は1100件を超え、前の年を25%程度上回ったという。今回の「みなと元気メッセ」でも出展希望が多く、一部で出展を断る例などがあった。神戸港の輸出入総額は月間での過去最高更新が相次ぐなど、「いいことも多い」と武市社長はみている。

 一方で「昨年1年間は貸出金も企業の預金も残高は増えなかったのが、今年に入って貸出金が増えないなか企業の預金が伸びている」と指摘。「企業の投資スタンスは慎重になっているのかな、とざっくり思っている」との見方も語った。物価高が経済活動を抑制している面は大きいとみる。「倒産を心配する環境ではない」としながらも、収益面で「運送業やシューズなど、やや心配な業種も出ている」と警戒感を語った。

 新型コロナウイルスの影響で売上高が減った企業に実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」が2年目に入った企業は債務者区分を引き下げ、貸倒引当金を積み増した。このため意外に戻し入れ益が膨らむのではと期待したが、「結果は中庸(よう)」。22年度上期の与信費用は計画通りに推移しているという。全体の景気動向による判断は難しく、より取引先の個別事情に沿った対応が必要な局面であることを強調していた。

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