シンエイ動画が「神戸スタジオ」開所 梅沢社長「成功すれば他地域でも」

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【神戸経済ニュース】「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などの人気アニメを制作するシンエイ動画(東京都西東京市)は1日、神戸市中央区・旧居留地のオフィスビルに新たな制作拠点「シンエイ動画神戸スタジオ」を開設した。同日開催した開所式で梅沢道彦社長は、「神戸で成功すれば関西圏のみならず、他のエリアでもアニメスタジオを作っていきたい」と述べ、国内拠点の増設で人手不足の解消をめざす方針を強調した。(写真は作業用のパソコン前に座る新人アニメーターら)

 同社は今回、神戸での拠点開設に合わせ、アニメ制作を担当するアニメーター9人と制作管理1人を採用。アニメの放送時間枠が増える中、アニメ制作会社の9割は東京に集中していることもあって、東京では人材の獲得競争が激化している。一方でアニメ制作を学ぶ専門学校は全国にあり、「磨いた技術を生かす場がないところと、アニメーターが不足しているわれわれがウイン・ウインの関係になれば」(梅沢社長)と神戸進出を決めた。

 同社は神戸の新拠点開設に伴い、所長と指導役になるベテランのアニメーター3人を東京から神戸へと異動。新人らは数カ月間の研修を受けて、プロのアニメーターとして活動を始める。現在はすべて東京で制作している「クレヨンしんちゃん」などの一部を神戸で制作する見込みだ。同社では現在も手書きの作画が大半を占めるが、輸送時のリスクなどを考慮して神戸での制作は全面的にデジタル化する。

 同社のアニメプロデューサーである山田俊秀常務が、神戸電子専門学校(神戸市中央区)で講師を務める縁などから、初の地方拠点を神戸に決めたという。同校の在校生1人も今回採用が決まった。山田常務は講師の経験から、学生らが「とても熱心に話を聞いてくれるし、関西に埋もれている人材がいるのではないかと、かねて感じていた」と話す。

 シンエイ動画は、テレビ朝日ホールディングス(9409)の中核事業会社であるテレビ朝日の完全子会社。1976年設立。

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