(解説)12月期決算会社、根強い下期の慎重見通し 上期に好業績でも
- 2022/08/22
- 04:19

【神戸経済ニュース】神戸市に本社を置く12月期決算の上場会社は、そろって2022年7〜12月(下期)の収益に慎重な見方を示した。原材料高や燃料高に加え、海上運賃の高騰に人件費の上昇など、多方面でのコスト高が逆風になるとの見方が根強い。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も長引いている。1〜6月期の業績には悪くなかったにもかかわらず、むしろ7〜12月期の見通しを引き下げる動きが目立った。
住友ゴム工業(5110)は8日、22年12月期の連結業績予想(国際会計基準)を下方修正した。従来は純利益が2%減の290億円になると見込んでいた。上期の実績は171億円だったので、上期で従来以上の6割以上を稼ぎ出していた。それでも通期予想を下方修正して245億円まで引き下げた。下期の純利益を73億円、前年同期比で2割弱の減益になる見通しだ。従来予想では下期増益の予想だったが、これを転換した形だ。
六甲バター(2266)は4月からの値上げなどで足元の採算が改善したこともあり、上期には約3億円の単独税引き利益を計上した。期初に予想した上期の税引き利益1億3000万円を大幅に上回り、通期の税引き利益2億円をも上回った。それでも通期予想は修正せず、通期予想の2億円を据え置き。単純計算すると下期は1億円の最終赤字を想定した計算になる。原料チーズ市況の一段高を警戒して、通期予想の修正を見送ったという。
アシックス(7936)も上期の連結純利益が135億円と、従来の通期予想である130億円を上回った。世界的なランニング人口の増加を追い風に、主力のシューズが売れている。通期予想は上方修正したが、通期予想の4分の3をすでに上期で稼ぎ出しているという慎重予想だ。国際商品相場を見ると、足元で原油価格が下落に転じるなどインフレは落ち着く兆しもあるが、それでも外国為替相場の動向などで収益が下振れることへの警戒感を隠せないようだ。
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