アシックス、今期純利益91%増に上方修正 シューズ好調に円安で・売上高最高に
- 2022/08/12
- 20:37

【神戸経済ニュース】スポーツ用品大手のアシックス(7936)は12日、2022年12月期の連結純利益が前期比91%増の180億円になりそうだと発表した。従来予想の135億円から上方修正し、増益幅が拡大する見通しになった。主力の高機能ランニングシューズが北米、欧州、オセアニア、東南アジア・南アジアで順調に推移しており、従来の想定を上回る見通しになった。外国為替市場で円安が進んだことで、海外収益の円換算値が膨らむのも寄与する。
売上高は前期比14%増の4600億円、営業利益は23%増の270億円を見込む。従来予想は4200億円、230億円だった。売上高は15年12月期の4284億円を上回り、過去最高になる。今回予想と従来予想の売上高の差分は400億円で、このうち340億円は想定レートの見直しが寄与。同様に営業利益も引き上げ幅40億円のうち、14億円が為替の寄与という。同社は7月以降の業績予想の前提になる為替レートを対ドルで125円、対ユーロで132円とした。従来は年間平均を105円、125円としていた。
同時に示した22年1〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比10%増の135億円だった。特別損失に計上した店舗休止等損失が大幅に減少したほか、子会社の一部が黒字化して実効税率が改善した。一方で21年7〜10月のベトナム工場停止による商品不足は解消に向かい販売は伸びたが、原材料高は逆風。米欧では物流費用が想定を上回った。平均為替レートは対ドルで123円29銭、対ユーロで134円80銭だった。売上高は7%増の2250億円、営業利益は20%減の191億円だった。
テレビ会議システムを通じて記者会見した広田康人社長は、4〜6月期について「第1四半期(1〜3月期)に続き、好調なモメンタム(勢い)が継続している」との認識を示した。期初の社内計画も大幅に上回ったという。上海のロックダウン(都市封鎖)があったにもかかわらず、4〜6月期の高機能ランニングシューズの売上高が前年同期比35%増の77億円と伸びた中国について「市場の拡大とシェア向上の両面がある」との見方を示した。
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