兵庫県、新型コロナで「自主療養」制度化 検査キット使い自宅で判断

20220803斎藤兵庫知事

【神戸経済ニュース】兵庫県は3日、新型コロナウイルスの感染を疑う2〜59歳の住民に抗原検査キットを送付し、陽性の場合は県の「自主療養登録センター」に届け出たうえで、医師の判断を受けずに自宅などで療養に入る「自主療養制度」を導入すると発表した。独自のシステムを使って検査キットの配布を決めた神戸市を除く県全域で5日から実施する。医師が発生届を作成しないため、自主療養制度で療養中の患者は、新規感染者数に数えない方針という。斉藤元彦知事(写真=兵庫県が配信した動画より)が記者会見して説明した。

 3日に持ち回りで開いた新型コロナウイルス対策本部会議で決めた。感染者数の増加で高まっている、発熱外来など医療機関のひっ迫感を緩和するのがねらい。感染者の増加で医療機関が混雑し、重症リスクが高く、医師の診察や治療の優先度が高い患者が診察を受けにくくなっている現状がある。このため軽い発熱など軽症の場合は医師の診察を受けず、自主的に療養するよう求める。検査キットは県のホームページで申し込む。病状が悪化するなど医師の診断が必要と感じた場合は、電話で相談できる体制も整える。

 送付した検査キットを使い、自宅などで陽性と判明した場合、医師が電話などで感染者の様子を聞き取って確定診断し、発生届を作成する神戸市よりも、兵庫県は一段と行政への負担が減るよう、合理化を進めた形だ。自主療養の期間を終えると、システム上で「自主療養証明」を発行する。特に足元で医療機関の混雑の原因とされている、陰性を確認することを目的とした医療機関の受診などを控えるよう、新型コロナ特措法に基づいて要請する。さらに会社や事業所には、病欠や勤務の再会などの際に、各種証明書の提出を求めないことも要請する。

 斎藤知事は「国から兵庫県に第1回として約50万セットの検査キットが届く方向で調整が進んでいる」という。送付するのは「1日に数千セットになる」との見通しを示した。「もし国から検査キットが届かない場合も、県の備蓄が数千セットある」として、5日から検査キット無料送付の受け付けが開始できるとの見方を述べた。高齢者施設の従事者に対する強化や、入院調整など保健所の夜間業務を県で一元化して支援する「夜間保健所支援センター」も設置することを決めた。

 あわせて兵庫県は、姫路駅の改札外・中央コンコースに臨時の無料検査拠点を開設すると発表した。神戸空港、山陽新幹線の新神戸駅に続く3カ所目。開設期間は6〜18日で午前10〜午後7時に稼働。新神戸駅と同じジー・キューブ(神戸市中央区)が運営を担当する。兵庫県が発表した3日の新型コロナ新規感染者数は1万1201人と、過去最高になった。

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