福寿の神戸酒心館、日本酒全製品で実質CO2排出ゼロに 来春から

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【神戸経済ニュース】ノーベル賞の晩さん会で提供する日本酒として知られる銘柄「福寿」を醸造する神戸酒心館(神戸市東灘区)は26日、現在の在庫がなくなる来春ごろから日本酒の全製品で製造過程での二酸化炭素(CO2)排出が実質ゼロ(カーボンゼロ)の製品を出荷すると発表した。製造工程で使うボイラーの燃料と、使用する電力を、いずれもカーボンゼロに置き換える。先行して10月20日に、持続可能な酒造りのシンボルになる製品「福寿純米酒エコゼロ720ml」を発売すると、あわせて発表した。(写真は酒ビンのイメージ)

 酒造りでは米を蒸したり、ビン詰め火入れする際にボイラーを使う。これまでボイラーの燃料には重油を使ってきたが、これを大阪ガス(9532)が子会社のDaigasエナジーを通じて供給する「カーボンニュートラルな都市ガス」に5月から転換。天然ガスの採掘、輸送、製造、燃焼の工程を含むガスのサイクル全体で発生する温室効果ガスを、排出量取引で相殺した。電力は関西電力(9503)との間で、水力で発電した電力だけ供給を受けるプランを7月から契約した。エネルギー源が変わるだけで、既存製品の味に影響は出ないという。

 新たに発売する「福寿純米酒エコゼロ720ml」では、さらなるエネルギー削減に取り組む。精米歩合を通常の70%ではなく80%にとどめる(玄米の20%をぬかとして廃棄する)ほか、「きょうかい乾燥酵母(901号)」を採用することで、酵母を大量培養する「酒母」工程を省略して醸造日数を7日短縮。この結果「よりナチュラルな味わいになる」(神戸酒心館の安福武之助社長)という。加えて酒ビンに直接印刷して紙ラベルを使わないなど、さまざまな環境に負荷をかけない工夫を詰め込んだ。希望小売価格は税別で1500円。

 電力・ガスの転換でコスト面では割高になるが、「製造工程の合理化、効率化で対応する」(安福社長)方針だ。同社は来春に製品価格の値上げを控えているが、酒ビンなど資材価格の上昇を反映するもので、エネルギー転換によるコスト増については転嫁しないとしている。神戸酒心館は2050年までに、原料の生産や輸送・配送など「バリューチェーン(事業の流れ)全体のカーボンゼロをめざす」(安福氏)との方針も示した。持続可能性を強調することで欧米での需要を一層高めたい考えだ。

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