神戸市議会の安井議長、神戸沖空港構想「大きな失敗は宮崎氏1人の責任でない」

20220703安井俊彦氏

【神戸経済ニュース】神戸市議会の安井俊彦議長(写真)は3日に開いた中央区役所・中央区文化センターの完成記念式典であいさつし、1970年代に当時の運輸省などがまとめた神戸沖に関西国際空港を建設する構想について「大きな失敗は宮崎さん1人の責任でない」と、最終的に神戸沖空港の建設反対に回った当時の宮崎辰雄市長についての見解を述べた。「議会が26対42で、神戸沖空港を否定した」とあって、宮崎氏が市議会を尊重した結果、関西国際空港が泉州沖に建設される流れができたことを振り返った。

 安井議長によると、宮崎氏は神戸沖の国際空港について「公害のない空港を作らせてくれと1年間さけび続けた」という。ただ議会に否定された後も、議会を解散して市民に問うまでの「根性はなかった」という点で責任があったとする。一方で安井氏は、「あれがあれば(神戸は)大阪をしのぐ都市になっていたことは間違いない」との見方を示し、流れを作った当時の神戸市議会の先見性のなさを悔やんだ。

 半面、三宮再開発の構想を久元喜造市長が2014年に市議会に「相談」した後、市議会は「未来都市創造に関する特別委員会」を設置して対応。それが、この日の中央区役所・中央区文化センターの完成につながった。同施設は、三宮に西日本最大級のバスターミナルを建設することに伴う用地確保を目的に、移転新築して最初に完成した施設だ。当時の神戸沖空港とは異なり、三宮再開発を「議会も一緒になってやっているのは、素晴らしいことではないか」と安井氏は話す。

 安井氏は1977年に初当選した。1943年生まれの79歳、東灘区選出で現在12期目の最古参市議。自民の兵庫県連では副会長だ。「神戸の悪いところは僕の責任」とも語る。「神戸の顔であり、神戸のエンジン」である三宮の再開発が進展するのを見て、「これからの神戸市に期待を持ってください。きっといい都市になる」と太鼓判を押す。議長の立場で現在進行中の施策について、今回のように積極的に意見を表明することは珍しい。ただ神戸沖空港を否定した当時とは異なり、議会にも未来志向が広がっていることは強調したかったようだ。

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