兵庫日銀短観、全産業DIは2期連続で悪化 価格転嫁も原燃料高が収益圧迫

20220702日銀短観6月調査

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、6月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から2ポイント悪化のマイナス3だった。前回3月調査に続いて2期連続で悪化した。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻や、それに伴う原油高などで景気の不透明感が強まったとの見方を反映した。2022年度の経常利益計画では、高止まりするエネルギー価格などコスト高で収益が悪化するとの警戒感が強まった。

 調査期間は5月30日〜6月30日。兵庫県内の327社が対象で、回答率は99.7%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 業種別にDIをみると、「生産用機械」「非鉄金属」で、最近の景況感が大幅に悪化した。半導体不足などを背景に需要が高まっていた業種に急ブレーキがかかった形だ。原材料高に加えて、新型コロナウイルスの影響による中国の都市封鎖(ロックダウン)の影響が表れたもよう。「鉄鋼」「化学」といった素材メーカーの景況感も悪化した。半面、「対個人サービス」「宿泊・飲食サービス」はいずれも大幅に改善。3年ぶりに行動制限がない5月の大型連休もあって、新型コロナが打撃になっていた対面型サービスは回復が顕著だった。

 22年度の売り上げ・収益計画は、全規模全産業で売上高が5.8%増、経常利益が同8.2%減の見通し。前回調査(売上高1.7%増、経常益6.3%減)と比べて売上高は上方修正、経常利益は下方修正になった。円安が加速したことでコスト高も膨らみ、販売価格への転嫁が追いつかず、利益を圧迫するとの見通しを反映する結果になった。ただ資金繰り判断DIはプラス18(前回はプラス17)と、前回調査に比べて「楽である」との回答が小幅ながら増えた。足元のコスト高が急速な構造転換などにつながる兆候は、いまのところ見られていない。

▽日銀短観(兵庫県分)

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