神戸製鋼の株主総会、石炭火力のCO2対策など説明 株価「ROIC5%重要」

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所(5406)が22日午前に神戸市内で開催した株主総会では、同社が神戸市灘区で進めている石炭火力発電事業について株主からの質問が多かった。同社は石炭火力発電のコスト競争力や二酸化炭素(CO2)排出への対策などについて、改めて説明した。同社は、アンモニア燃料の使用など、2050年のCO2排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向けた対応方針を2021年5月に示していた。

 アンモニアと石炭を混焼することによるCO2削減効果についての質問には、どのようにアンモニアを作るかによっても削減効果に違いが出ると説明。製造の際に排出するCO2を回収・貯留する水素(ブルー水素)や、再生可能エネルギーをスカってCO2を排出せずに生成した水素(グリーン水素)を原料として作った「ブルーアンモニア」「グリーンアンモニア」を積極的に採用したいと方針を示していた。

 株主が株価について会社の見解を求めると、山口貢社長は「素材系(事業)を中心に(収益の)振れ幅が大きく、まだ財務体質にもぜい弱性があり、将来的にはカーボンニュートラルに向けた投資も必要になるという見方をされており、なかなか株価も上がらないのだろうと思っている」と説明。「中期経営計画で示したROIC(投下資本利益率)で5%以上の収益レベル、将来的に8%以上の達成が非常に重要だ」と話していた。

 加古川製鉄所では昨年、降下ばいじん量が自主管理目標を上回った問題が明るみに出たのに関連し、2017に品質検査データ改ざん問題が表面化して以来、企業統治(コーポレートガバナンス)の改革は進んでいるのか、との質問には山口社長が「18年以降は取締役会の構成などいろんな仕組みを変え、風通しの良い企業を作るべく従業員との対話も進めている」と説明。「いかに実のあるものにするか」「多少時間はかかるが体質変革の浸透、定着させることを続けていきたい」と語った。

 取締役の選任など会社が提案したすべての議案を可決、承認した。株主総会は午前10時に始まり、午前11時47分に終了。所要時間は昨年よりも21分長い1時間47分だった。会場に足を運んだ株主は146人(昨年は95人)だった。同社の株主数は機関投資家も含めて13万人を超す。ただ同社は、新型コロナウイルスの感染対策を目的に来場を慎重に検討するよう求め、事前にネットや郵送で議決権を行使するよう呼びかけていた。

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