三井住友信、神戸市と産官学共創めざし協定 大学発UIKなど強化

20220610三井住友信会見

【神戸経済ニュース】三井住友トラスト・ホールディングス(8309)傘下の三井住友信託銀行は10日、神戸市内の大学・企業・行政が連携して新たな価値を生み出す「産官学共創」について、神戸市と連携協定を結んだと発表した。研究費助成制度である「大学発アーバンイノベーション」の強化を中心に、大学が生み出す技術を行政が仲介し、企業が製品化する流れを作るなどで、神戸経済を活性化する。加えて三井住友信託銀が起業家教育に関する実務家教員を派遣するといった人材育成など、中長期的な経済活性化に向けた幅広い取り組みも検討する。

 神戸市は、産官学が定期的に意見交換する「地域連携プラットフォーム」の設立に向けて、三井住友信に「コーディネート業務」を委託することを決めた。同社はプラットフォームの事務局機能を受け持つ。そのうえで、今回連携協定を結ぶことでより幅広く三井住友信が持つ金融などに関するノウハウを、神戸市を通じて出会った研究者や起業家らに提供できるようにする。それに向けて、大学の技術と企業の製品化への意欲を積極的にマッチング(結びつけ)したりコーディネート(調整)したりする。

 具体的には「大学発アーバンイノベーション神戸(UIK)」を強化。従来通り自由なテーマでの募集に加え、三井住友信の提案で「地域初イノベーション創出に関する研究」をテーマとした研究も募集する。心身と社会的に健康である状態を示す「ウェルビーイング」や、スマートシティーに関する研究などの応募を期待しているという。1件あたり1000万円を上限に3件まで採択。資金は三井住友信が神戸市に寄付した企業版ふるさと納税の3000万円を充てる形になる。

 10日午前に神戸市役所で記者会見した三井住友信の田中尚宏専務執行役員(写真左)は「地域経済の中枢をになう自治体、大学、企業の結節点に当社がなり、地域課題の解決に向けて貢献することをめざしている」と話した。同社は神戸スマートシティ推進コンソーシアムにも運営委員として参画している。田中氏とそろって記者会見した神戸市の小原一徳副市長(同右)は、「神戸市は23大学、学生7万人が集まる全国有数の大学都市。技術の掘り起こしや社会実装の推進などが、双方にとってよりよい効果が得られるよう取り組みたい」と話した。

 三井住友信にとって今回のコーディネート業務の受託は、銀行法改正で可能になったコンサルタント・マッチング業務で初の案件になった。

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