沢の鶴、山田錦に並ぶ「新酒米」の日本酒 社長「米作りのプロに大きな学び」

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【神戸経済ニュース】老舗酒造メーカーの沢の鶴(神戸市灘区)は、エンジン・農機大手のヤンマー(大阪市北区)と共同で、2016年に始めた「新たな酒米を作るプロジェクト」の集大成として醸造した日本酒「沢の鶴 NADA88」(写真)を発売した。今回のプロジェクトを通じてヤンマーが開発した米の新品種「OR2271」が主原料だ。クラウドファンディングのマクアケ(4479)を通じて1日に予約受け付けを開始した。180ミリリットル入りで最大5000本の限定販売。マクアケでは7月20日まで予約を受け付ける。

 沢の鶴とヤンマーがプロジェクトでめざしたのは、「酒米の王様」という異名をとる山田錦に並ぶ、酒米の新品種を作ること。山田錦は成長すると倒れやすいため管理に手がかかるほか、米が含むタンパク質を抑えるため施肥には微妙なさじ加減が必要で、熟練した農家でも栽培が難しいという面がある。新たな酒米「OR2271」は山田錦に比べ背が低く倒れにくい一方で、酒造りに必須である「心白」(米中心の白濁した部分)は山田錦と同等。うま味の元になるアミノ酸度は、栽培条件によって山田錦を上回ることもあるという。

 生酛(きもと)造りでアミノ酸によるうま味を生かしながら、香りを強調できる純米大吟醸を醸造。結果として香りと甘味、うま味のバランスが取れた、華やかな香りの日本酒に仕上がった。口に含むと梨やバナナを連想させるフルーティーな香りで、乾杯酒や食中酒に向いている。容器やラベルなどのデザインは、同プロジェクトで18年に販売し、グッドデザイン賞を得た「X01」などと同じヤンマーのデザイン室が担当した。精米歩合は47%、アルコール分は15.0度。マクアケでの価格は税込み2000円とした。

 1日に開いた発表会の終了後、沢の鶴の西村隆社長は神戸経済ニュースの取材に対し、米穀商が起源とあって酒米の選択や純米酒の醸造にかねて力を入れてきたが「米作りのプロであるヤンマーとノウハウを共有できたことに大きな学びを得た」という。今年も岡山県で1ヘクタール程度を作付けする計画で「新しくできたOR2271で異なる醸造方法など、さまざまなバリエーションの日本酒に挑戦したい」と意欲的だ。加えて「OR2271は酒造りに向いた米であると同時に、農家の負担軽減にもなるので、広く普及してほしい」と話していた。

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