スーパーコンピューター「富岳」が2部門で5期連続の世界一 2部門は2位に
- 2022/05/31
- 02:38
【神戸経済ニュース】理化学研究所は30日、富士通と共同開発して計算科学研究センター(神戸市中央区)で2021年3月に本格運用を開始したスーパーコンピューター「富岳」(写真=資料)が、およそ半年ごとに発表する世界のスーパーコンピューターのランキングのうち2部門で5回連続で首位を獲得したと発表した。2部門では2位と、運用開始から初めて首位を明け渡した。理研によるとランキングは独ハンブルグで開催週の高性能計算技術に関する国際会議「ISC2022」で示された。
5期連続で世界トップだったのは、実際のアプリケーションなどでよく利用される計算方法でみた処理速度のランキング「HPCG」と、ビッグデータの分析で重要になる大規模グラフ解析の性能ランキング「Graph500」の2部門。計算速度を競う「TOP500」と、人工知能(AI)で主に使用する演算方法でみる性能の指標「HPL-AI」は今回初登場である米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」に次ぐ2位になった。TOP500で競う富岳の計算速度は昨年と同じ毎秒44.2京回。米フロンティアは毎秒110.2京回だ。
富岳は運用開始前の20年6月に、世界で初めて4つのランキングで同時に首位を獲得。その後は21年11月のランキング発表まで3回連続で「4冠」を防衛していた。計算科学研究センターの松岡聡センター長は、今回のランキングについて「初登場から2年経過しても『富岳』が総合的に世界最高性能と幅広い汎用性を両立させた世界屈指のスーパーコンピュータであり続けている事を示している」と指摘。電力消費と性能の見合いの観点などから、高効率のスーパーコンピューターであることを強調した。
今回の結果を受けて、兵庫県の斎藤元彦知事は「これからも『富岳』の学術利用、産業利用がさらに進むことで、未来を切り拓(ひら)き、持続可能な社会づくりに貢献する研究成果が生まれることを期待している」とコメントを発表。神戸市の久元喜造市長も「神戸医療産業としに設置された『富岳』が、神戸発の研究成果を世界に発信し、今後も我が国の科学技術の発展や産業競争力のさらなる強化につながることをおおいに期待している」とのコメントを発表した。
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