大阪湾岸の各市長・斎藤兵庫知事が幅広い課題共有 「ベイエリア」協議会

20220524ベイエリア協議会

【神戸経済ニュース】2025年に大阪市で開催する国際博覧会(大阪・関西万博)をきっかけに、大阪湾岸の観光誘致や産業集積に弾みを付けて活性化するための戦略を、兵庫県内の自治体トップで議論する「ベイエリア活性化推進協議会」の第1回会合を兵庫県が23日午後に開催した(写真)。兵庫県の斎藤元彦知事が会長、神戸市の久元喜造市長が副会長に就き、大阪湾を取り囲む都市の市長がそれぞれの湾岸地域の課題について説明、問題意識を共有した。

 尼崎市の稲村和美市長は、大阪湾に向かって長く伸びた2つの埋め立て地が行き来できず、にぎわいが分断される形になっており、両者の交通対策が重要であることを説明。西宮市の石井登志郎市長は自然の海岸が残る甲子園浜と、産業集積を加速したい西宮浜・鳴尾浜との調和について言及した。芦屋市の伊藤舞市長は芦屋浜と南芦屋浜の間にある水路の有効活用や芦屋マリーナからの旅客輸送などを検討したいと話した。

 加えて神戸市の久元喜造市長は、大阪湾岸道路西伸部の建設工事や二酸化炭素の排出量実質ゼロ港湾をめざす「カーボンニュートラルポート」など水素を活用するプロジェクト、新港町など湾岸部の再開発、須磨港からの新規航路開設、神戸医療産業都市など、三宮再開発を除くと大型プロジェクトの多くが湾岸地域に集中していることを説明した。一方で淡路市、洲本市、南あわじ市からは、恵まれた自然環境と豊かな食材を活用した観光誘客と、すでに整備した港湾の海上交通による有効活用などが問題提起された。

 斎藤知事は会合の最後に振り返って「各都市の課題や、何を資源だと思っているかを共有できてよかった」と第1回会合の意義を強調した。そのうえで万博会場との間で結ぶ海上交通や、産業集積に向けた土地利用や規制緩和の課題、インフラ整備の影響など課題が幅広いことも改めて確認した。会合は斎藤氏、久元氏と洲本市の上崎勝規が兵庫県公館に集まり、それ以外の市長らはテレビ会議システムを通じて出席した。

 24日に学識経験者や民間の有識者が中心になった「企画委員会」(委員長・上村敏之関学大教授)の初回を開いて、「兵庫県域の大阪湾ベイエリア活性化基本方針」の作成に向けた議論を開始。市長らが集まる「協議会」の第2回は9月に開催し、基本方針の「骨子案」を検討、第3回は12月に開き「方針案」を検討したうえで、年度内にも基本方針をまとめ、一部は23年度予算に組み込めるようにする考えだ。

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