神姫バスの中期計画、神戸での事業拡大を盛る シティーループ運行開始

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【神戸経済ニュース】兵庫県のバス大手である神姫バス(9083)が13日に発表した2025年3月期を最終年度とする中期経営計画では、重点戦略に「神戸エリアでの路線拡充、観光周遊バスの充実」などで事業を拡大する方針を盛り込んだ。同社は姫路市を中心に播磨地域で路線網を展開してきたが、人口減少を背景に中山間地域の路線で収益の拡大が見込みづらい。これまで十分に路線を展開しておらず成長余地のある神戸市や周辺で事業を拡大し、運輸業を中心とした収益拡大をめざす。

 同社は神戸都心の三宮にバスターミナルを置き、中長距離のバスを運行してきたが、神戸市営のバス路線網が広がる神戸市内では現在も路線数が限られる。ただ、2021年4月からは新港町など湾岸エリアと三宮を結ぶ「ポートループ」(写真上)の運行を神戸市から受託。解散した神戸市の外郭団体である旧神戸交通振興から22年4月に「シティーループ」(写真下)と「山手線」の譲渡を受けるなど、路線を伸ばす。

 特に、この4月はシティーループの運行開始に加え、ポートループが山陽新幹線の新神戸駅前にも乗り入れた。シティーループは一部を神戸空港に乗り入れるなど、新たな運行ルートの開発にも乗り出している。県内各地から神戸を訪れて、そのまま神戸市内の観光したり、新幹線や航空機に便利に乗り継いだり、といった展開も可能になる。三宮と淡路島や兵庫県の内陸部を結ぶ路線と、神戸市内の路線との相乗効果が出せる体制は、徐々に整いつつあるといえる。

 今回示した中期経営計画で25年3月期の目標値は売上高480億円、営業利益は24億円とした。訪日外国人観光客(インバウンド)で拡張ムードだった19年に示した中期計画では、22年3月期の目標は売上高480億円、30億円としていたが、これをむしろ引き下げた形だ。新型コロナの感染拡大による急速な環境変化は、21年3月期に最終赤字を計上するほどの打撃になった。まずは神戸での具体的な展開で、改めて成長路線を取り戻す。

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