川重の今期、純利益33%増の290億円に 航空宇宙の3期ぶり黒字見込む

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【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は10日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が290億円になりそうだと発表した。同社は今期から国際会計基準を適用する。日本基準で試算しても純利益は290億円の見通しになり、前期比では33%増になる見通しだ。民間航空機の需要回復で民間機向けエンジンなどの販売が回復し、事業部門(セグメント)「航空宇宙システム」が3期ぶりに黒字になる。全社的なIT(情報技術)投資の増加を吸収して増益になるとみている。円安の恩恵も受ける。

 売上高に相当する売上収益は1兆6800円、事業利益は530億円を見込む。売上高は前期比12%相当の増加になる。こ全セグメントが増収になるとみているが、増加幅が大きいのは「航空宇宙システム」と「モーターサイクル&エンジン」と想定。モーターサイクル&エンジンは北米向けオフロード4輪車などの需要が続き、同部門として過去最高益を更新する見通しだ。コスト増には販売価格への転嫁を進めて対応する。

 年間配当金は50円(うち中間25円)と、前期比10円の増配の計画だ。同社は前期の配当金を40円(うち中間20円)と、従来予定の30円から10円上積みした。将来の売上高につながる受注高については1兆5700億円と、前期の1兆6021億円から減少するとみている。

20220510川重セグメント

 同時に発表した22年3月期の連結決算(日本基準)は、最終損益が218億円の黒字(前の期は193億円の赤字)になった。期末にかけて円安が進んだことなどで、従来予想である150億円の黒字から上振れした。モーターサイクル&エンジンが円安の恩恵も受けた大幅増収、増益が寄与。航空宇宙システムでは前期に負担が大きかったエンジン整備費用が縮小したのも寄与した。

 売上高は1%増の1兆5008億円、営業損益は458億円(前の期は53億円の赤字)。従来予想は1兆5500億円、460億円だった。

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