家次神商会頭、資源高・円安「地域経済にも負の連鎖の影響」 原発含め議論も

20220509家次神商会頭

【神戸経済ニュース】神戸商工会議所の家次恒会頭(シスメックス会長兼社長)は9日の定例記者会見で、世界的に資源価格が上昇する中、各国が価格抑制のため利上げすることで外国為替市場で円相場が下落し、さらに資源・エネルギーを中心とした輸入物価が上昇する現状について「マイナスのスパイラル(負の連鎖)」と指摘した。さらに「その影響は地域経済にも確実におよんできている」との認識を示した。「地元企業から悲痛な声が出ている」という。

 資源・エネルギー価格の情報は幅広い業種でコスト高になり、商工会議所の会員の多くを占める「中小企業は、競争激化の中で大手のような思い切った価格転嫁に踏み切れない」と指摘。輸出型産業でも「かつてのような円安のプラスのインパクトは乏しい」「むしろコストアップで作りたくても作れないという(円安の)マイナスの影響をこうむっている会社も少なくない」と述べ、足元の円安のデメリットへの警戒感を表明した。

 そのうえでエネルギー政策の長期的な見直しについて言及した。「カーボンニュートラルという最終目標は当然堅持すべき」としながらも、「そのプロセスは一本道でない」と主張。「資源の乏しい日本では、原発を含めたバランスの取れたエネルギーをどう打ち出すか、構造的な問題に手をつけなければならない時期にきている」と述べ、関係当局に根本的なエネルギー政策について幅広い議論を求めた。

 景気の現状認識について記者が改めて質問すると「いまは歯を食いしばってやっていくしかない」という。さらに「政府あたりが財政政策を出してもらう、地元でいうと公共事業などをやらないと、といったことが今後は大事になるのではないか」と述べ、足元の急速な物価上昇による景気の悪化に対する警戒感を強調した。

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