アサヒHD、今期純利益15%減 需要増で増収も既存施設の除却損計上で

20220427アサヒHD

【神戸経済ニュース】貴金属リサイクルのアサヒホールディングス(5857)は27日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比15%減の160億円になる見通しだ。電子部品などの需要を背景に貴金属の販売は好調で増収を見込むが、4月に坂東工場(茨城県坂東市)の稼働に伴い、既存施設の除却損が発生するのが響く。同工場の減価償却費の計上も始まる。

 売上高に相当する売上収益は4%増の2000億円、営業利益は9%減の240億円を見込む。子会社でガラスリサイクル事業を手掛けるJWガラスリサイクルの全株式を、5月2日付でTREホールディングス(9247)傘下のタケエイに売却する影響が出る。売上高は貴金属リサイクル事業の伸びなどで補うが、今期から新工場の減価償却が発生することなどもあり、営業利益はその分を補いきれない公算だ。

 JWガラスリサイクルの売却について、アサヒHDは「当社としては選択と集中という意味もあるが、ガラスリサイクル事業の成長を考えたときに、タケエイの傘下に入るほうが相乗効果が出るだろうと判断した」(テレビ会議システムを通じて記者会見した長合邦彦企画部長)と説明した。売却額は明らかにしていない。今回の売却で、アサヒHD傘下のガラスリサイクル事業はなくなる。

 半導体不足を背景に自動車生産の生産が減少しており、触媒に使う自動車向けのパラジウムなどの需要は伸び悩んでいるという。ただ「代わりにIT(情報技術)関連や、(高速通信網)5G関連で需要が伸びて業績全体への自動車の影響が抑えられるなどポートフォリオ効果が効いている」「事業環境は悪くない」(長合企画部長)という。年間配当金は90円(うち中間45円)を予定する。

 同時に発表した2022年3月期の連結決算は、純利益が前の期比27%減の187億円だった。税金費用が増加した。21年3月期に連結納税に移行し、税効果会計を適用したことの反動が表れた。一方で金やパラジウムなど貴金属価格が上昇した恩恵も受けた。売上高は17%増の1924億円、営業利益は5%増の264億円になった。

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