久元神戸市長「なぜ陰湿な事案が繰り返されるのか」 職員の不祥事なげく

20220427久元神戸市長

【神戸経済ニュース】「なぜ陰湿な事案が繰り返されるのか、正直わからない」。こう語って26日の定例記者会見で珍しく気色ばんだのは、神戸市の久元喜造市長(写真=神戸市が公開した動画より)だ。この記者会見では、職場でセクハラや人権侵害を繰り返した神戸市水道局の複数の職員を、懲戒処分した事案について記者が質問。久元氏は2019年に発覚した神戸市立東須磨小学校での教員間いじめ・暴行事件の陰湿さを想起させると話した。さらに「相当、体質的な問題があるのだろう」と述べ、職員の不祥事をなげいた。

 久元氏は「大多数の職員はまじめに仕事をしてくれている」と断ったうえで、「そういうこと(問題のある行動)を起こす職員に対して物が言えない、見て見ぬふりをしないと生きていけないという、体質があるのか」「職場にいないというのを、みんな知っていたヤミ専従のときがそうだった」と述べて、断続的に発生する不祥事に共通する問題の根深さを指摘。「幹部のみなさんには『圧倒的な当事者意識』を持って、風土の改革に取り組んでほしい」と話した。

 全職場の実態調査を実施する方向で「今西(正男)副市長と相談している」とも明らかにした。ただ「アンケートの結果は数字になって抽象化され、『数から見れば問題があると思っている人が少ないから、別に何もしなくてもいいですよ』ということが、いままでもあった」とも明かした。このため各職場に局長クラスなどの幹部職員が継続的に足を運び、実態を把握することが重要だと強調した。

 職員の人権意識の低さが問題なら研修が必要ではないか、との主旨の質問には「個別に指導しないとダメだろう」という。「会社でも自治体でも不祥事件があったら研修をするが、まじめに聞くのは研修の必要がない職員で、研修に駆り出されて仕事が止まることが往々にして起きる」と語る。それだけに問題のある部下に注意できない職場風土があるなら、規律の厳格化は難しい。

 財務省の事務次官による女性記者へのセクハラ行為が発覚した結果、中央省庁でも「指定職(民間会社の役員に相当)になったら一番最初の仕事がセクハラ研修だ。大多数の幹部職員はそんなことしないのに、それでセクハラ・パワハラは解決できるのか」と主張。職場の風通しの良さこそが、働き方改革につながるとの認識を、改めて押し出した形だ。

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