(動画)井本商運のコンテナ船「のがみ」神戸初入港 船員育成機能を初めて搭載



【神戸経済ニュース】内航コンテナ輸送大手の井本商運(神戸市中央区)の新造船「のがみ」が25日、神戸港に初入港した。同社の主力である京浜〜阪神〜北部九州の航路で、同じ曜日に同じ港に寄港する「定曜日サービス」に投入する。内航コンテナ船としては国内最大級のコンテナ670個積み(20フィートコンテナ換算)。球状の船首を持つ「なとり」「ながら」に次ぐ3番船だが、同社としては初めて研修船としての機能を搭載したのが特徴だ。

 船員の定員は11人だが、船員用の個室は21室を設置。10人の研修生が乗船できるようにした。女性専用の居住区も初めて整備。加えて研修生も含めた全員が入れる大型の会議室「研修室」も備え、教育船として利用できるようにした。船員育成に加え、主に地上での業務を担当する社員が、海上での業務を経験する研修などにも利用する。さっそく今回の神戸港から、同社の新卒新入社員2人が研修乗船したという。

 井本隆之社長は「のがみ」船上で神戸経済ニュースの取材に対し、自社船員の研修にとどまらず、「のがみ」を活用して「(海技免許の取得に必要な)乗船履歴として認められるよう教育機関とも連携したい」と語る。背景にあるのは海員の若手人材が不足していることだ。同社は国内でも珍しい地上の船舶シミュレーターを4月に本格稼働させた。教育機能を強化して自社船員の拡大をめざすのに加え、業界全体にも貢献する構えだ。

 「のがみ」は省エネ性能も向上した。主機関には、内航コンテナ船では珍しいフル電子制御エンジンを導入。プロペラの両脇に2枚の舵(かじ)を配置する「ゲートラダー」を採用したほか、煙突の流線型も空気抵抗を抑える。燃費性能は設計上、最大で23%向上する計算になるという。二酸化炭素(CO2)排出量も大幅に減少が見込まれるうえ、計算通りだと年間5000万円程度の燃料費の抑制につながる。

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