川重、液化水素運搬船の商用化に向け設計承認を取得 「16万立米型」で

20210623大型液化水素運搬船

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は22日、約16万立方メートルのタンクを備えた液化水素運搬船(イメージ図=川重提供)について、日本海事協会(東京都千代田区)から設計基本承認(AiP)を得たと発表した。船舶に搭載する水素タンクとしては世界最大の容積である4万立方メートルのタンクを4基搭載する。承認は4月19日付で取得。同社は昨年4月にタンク単独のAiPも取得していた。

 昨年12月から今年2月までに日豪間を往復し、水素サプライチェーン(供給網)を構築する実証事件を実施した「すいそふろんてぃあ」で得られた設計や建造技術、安全性に関するノウハウなどを投入した。マイナス253度まで冷却して液化し、体積が常温時の800分の1になった極低温の液化水素を、一度の航海で大量に海上輸送できることから、水素の供給コスト引き下げに寄与する。

 大量の液化水素を短時間で積み降ろしするための貨物システムを搭載。陸上設備から船内の液化水素用タンクまで、液化水素が気化することなく極低温のまま効率的、安全に積載できるように、水素の通り道はすべて2重配管で、内側と外側の管の間は真空にする特殊な配管を採用した。液化水素の比重が軽いことを考慮した船型や喫水の設計で、小さな力でも進めるよう推進効率を高めた。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて事業の一環として開発した。全長およそ346メートル、幅およそ57メートル、喫水およそ9.5メートル。20年台半ばの実用化をめざす。

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