(動画)首相、エネルギー安定とカーボンゼロ「両立のカギ水素」 神戸空港島で



【神戸経済ニュース】岸田文雄首相は9日午後、神戸市中央区の神戸空港島で開催した「日豪水素サプライチェーン実証試験・完遂記念式典」であいさつし、液化水素の大量輸送について「本プロジェクトの成功は我が国の、世界のカーボンニュートラル(カーボンゼロ=二酸化炭素の排出実質ゼロ)への歩みを力強く後押ししていくものであると、確信している」と述べ、早期の商業化に期待した。岸田首相は、「エネルギー安全保障を確実なものにしながら、エネルギーの安定供給と両立させる形でカーボンニュートラルを実現する必要があり、カギを握るのが水素・アンモニアだ」と改めて指摘し、今回の実証実験の意義を強調した。

 岸田氏は「かつて、オイルショックの時代、エネルギー資源に乏しい我が国は、国民、企業、さらには国が一体となって省エネの努力を重ね、エネルギー危機を乗り越えた」と振り返った。そのうえで「半世紀たった現在、日本の総力を結集してエネルギーの構造転換をなしとげ、未来の世代への礎と築いていかなくてはなりません」と語った。さらに、世界のエネルギー消費の増加が続くとみられる「アジアと手を携えて、脱炭素への歩みをすすめながら、世界のカーボンニュートラルにおいてリーダーシップを発揮していく、こうした決意を改めてみなさんと共に確認していきたい」と話していた。

 式典は岩谷産業(8088)、川崎重工業(7012)、丸紅(8002)、電源開発(Jパワー、9513)、シェルジャパン(東京都千代田区)などで構成する技術研究組合「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)が開催。川重が建造した世界初の液化水素運搬船が昨年12月25日に日本を出港し、オーストラリアで未利用資源である「褐炭(かったん)」から製造した液化水素を積載。2月25日に再び神戸に帰着していた。液化水素を海上輸送する国際的な水素サプライチェーン(供給網)を構築できることを、ひとまず検証した。

 式典出席後に岸田氏は地元メディアなどを排除し、首相官邸の記者クラブに所属する記者だけを対象に取材に応じたもよう。コンテナ港湾施設のほか、式典出席前に視察した世界の主要なランキングで首位を獲得したスーパーコンピューター「富岳」や、近隣にある研究施設を視察したことを明らかにしたうえで、科学技術振興の重要性を指摘したようだ。加えて原油高の対応について記者の質問に対し、1500万バレルの石油備蓄を放出するなど「前日発表した」と強調したとみられる。首相官邸はこれらの記者とのやりとりを明らかにしていない。 

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