神戸銀行協会ビル建て替え 11階建てのオフィスビルに・25年完成へ
- 2022/03/22
- 03:35
【神戸経済ニュース】神戸銀行協会は、銀行業界や神戸経済界の交流拠点の1つになっている神戸市中央区・旧外国人居留地にある同協会ビルを建て替える。三井住友銀系の神戸土地建物(神戸市中央区)が事業主体になり、11階建てのオフィスビルを新築。現在のレトロな印象を残しながら、商業・業務機能を充実させる。1階には多くの人が旧居留地を訪れるきっかけになるような、店舗を入居させたい考えだ。2023年7月着工、25年4月完成を計画している。(図は完成予想図=神戸土地建物提供)
現在の神戸銀行協会ビルは1950年に完成。同協会の事務所に加え神戸銀行倶楽部、神戸経済同友会も入居し、経済界の交流の場として象徴的な建築物だ。ただ今年11月には手形交換を電子化する「電子交換所」の本格稼働を控える。ビルの約半分を占める手形交換所が不要になることから、建て替えに踏み切る。1階の店舗、2〜11階のオフィスはいずれも新築の賃貸物件にする計画。同ビルに入居している神戸銀行協会と神戸経済同友会は、いずれも同じ旧居留地内にある三井住友銀行神戸本部ビルに移転する。
低層部の外観はタイル張りにするなど、旧居留地の建築物との調和と、現在の神戸銀行協会ビルのデザイン継承をめざす。豪華にしつらえた現在のビルで、新たなビルの内装などに使える資材は積極的に活用したい考えだ。一方で法的基準に比べて1.25倍の耐震性能を持たせることや、浸水対策の止水板設置、備蓄倉庫、換気に使える開閉可能な窓と非接触の衛生器具による感染症対策といった、オフィスの安心・安全への機能も充実させる。
旧居留地の中でもJR三ノ宮駅などに近く、多くの路線が通勤に使える。敷地面積1011平方メートル、延べ床面積7760平方メートル。高さ49メートル。鉄骨造で地下には機械室を置く。機械式駐車場で神戸市が定める駐車可能台数を確保する。今夏完成する神戸市役所3号館や、建設計画のある同2号館、三宮再開発、新港地区の再開発などに並行して建設することになる。旧居留地での新たなオフィスビル建設は珍しく、「働く場」として旧居留地の価値向上に寄与するか注目されそうだ。
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