新たな「細胞製造設備」が稼働、細胞療法の開発など支援 神戸医療産業都市

20220301細胞製造施設

【神戸経済ニュース】神戸医療産業都市を運営する神戸市の外郭団体「神戸医療産業都市推進機構」(神戸市中央区)は2月28日、新たに整備した細胞を受託製造する施設「神戸医療イノベーションセンター」を3月1日に稼働させると発表した。製薬会社などの企業が、細胞医療や遺伝子治療の臨床試験(治験)や商用初期に、まとまった数量の細胞を必要とする際などに、細胞の製造を請け負い、新たな技術開発を支援する。(写真は内部の様子=神戸医療産業都市推進機構提供)

 細胞の品質管理をサービスとして提供できる「QCエリア」と、3室の「細胞製造エリア」を設置。加えて、細胞を培養中の状態や条件を観察することで、抜き取り検査をせずに品質管理する新たな細胞製造方法を導入した「ソリューションラボ」の5つのエリアを整備。床面積はおよそ1300平方メートルと、神戸医療産業都市では最も大きな規模の細胞製造施設だ。

 細胞製造エリアを3室にして、それぞれ別の細胞製造を受託できるようにした。このことでQCエリアの稼働率を高めることができる。ソリューションラボでは最新機器であるシンフォニアテクノロジー(6507)の「閉鎖系自動細胞製造システム」を設置。品質管理のために製造過程で抜き取り、でき具合を確認して廃棄する細胞を発生させない方式に対応した。

 神戸医療産業都市推進機構では、スイスの医薬品大手ノバルティスが開発した白血病治療薬で、最先端の遺伝子細胞治療を駆使する「キムリア」の商用製造をアジアで初めて受託。薬事法に基づく「医薬品の製造管理および品質管理の基準」(GMP)など、規制に基づいて細胞を製造する技術を提供することで、神戸医療産業都市での新たな細胞医療や遺伝子治療の開発を加速させる。

 整備した場所は、ポートライナーの計算科学センター駅前にある実験室ビル、神戸医療イノベーションセンター(KCMI)の5階。10日に予定している「第1回神戸医療産業都市デー」では、同施設の見学会も予定している。

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